2025年三日月会5月例会は、日本の独立系プライベートエクイティ(PE)ファンドであるアドバンテッジパートナーズの代表を務められています喜多慎一郎氏をお迎えして、「プライベートエクイティファンドの実態」という演題で、PEファンドがこの四半世紀に果たしてきた本当の役割を、分かり易くご講演いただきました。25名の皆様にご参加いただき、誠にありがとうございました。
【ご講演の概要】
ファンドとは、資金の受け皿であり、利益の創出と還元の母体です。様々な投資家より資金を預かり、投資活動を通じて、最終的に投資家に利益を還元することです。しかしファンド=ハゲタカというイメージがありますが、最近日経新聞でファンドの記事を見ない日がない程、日本の経済において知名度が上がってきています。
・企業への投資をするファンドには、大まかに以下の三つに分類されます。
①ベンチャーキャピタル ②プライベートエクイティ(PE)ファンド ③上場株ファンド
・三つの内のプライベートエクイティ(PE)ファンドについて
PEファンドとは、機関投資家の資金を基に、ファンド投資のニーズがある企業への株式投資を行い、保有期間を通じて企業価値を高め、最終的に投資家に利益を還元する事業のことです、
・日本のプライベートエクイティ(PE)ファンドの市場の規模と成長
PE市場は近年急速に成長しており、2023年は約6兆円、125件の投資実行がありました。
・米国と日本における上場企業・PE投資先企業の規模推計
日米で上場企業の数は同程度ですが、時価総額は10倍程度の差があります。プライベートエクイティの浸透度は、米国の方が大きく数百兆円の規模です。日本の上場企業時価総額合計の半分程度まで達しています。日本のPE投資先の規模は日本の上場企業の時価総額のわずか0.5%、米国のPE投資先の1%程度に過ぎません。
・日本のエクイティファンドの会社であるアドバンテッジパートナーズの紹介。
1997年に日本で最初にバイアウト専用ファンドを立ち上げた日本市場パイオニアです。毎年3~4件の投資を日本市場で行っており、グローバルでの累計投資実績は100件に及びます。アジアにも既に投資を実施し、グローバルに展開しています。我々は、全ファンド・全地域の経営支援によって利益成長を実現し、リターン(投資にって得られる利益や収益)を得ることが会社のスタイルです。
・プライベートエクイティファンド(AP)の5つの機能。
①ファンドレイズ(資金調達)―10年程度の長期性資金・大手機関投資家から調達します。
②ソーシング(案件開拓)―対象となる企業を発掘。企業環境が急激に変化する中で、多くの企業が事業面、資本で複雑な課題を抱えています。ファンドは資本課題・事業課題を解決しうるソリューションを提供します。活用されるパターンしては、事業継承、カーブアウト(新会社として独立させること)、再建、非公開化等ですが、ファンドとしては、資本と戦略・人材面の課題の解決策を一緒に提供します。
③エグゼキューション(投資検討・実行)
④バリューアップ(価値創造)―所有と経営の一体化、会社戦略と組織づくり、個別施策に至るまで一貫した取組を、過去の豊富投資経験に基づき、多面的に支援することで企業価値向上を実現します。戦略の策定より、組織能力の強化が重要と考えています。外部社長を迎える事があり、プロフェッショナル人材ネットワークを活用し様々な層における有力人材の補強を支援しています。
⑤エクジット(投資回収)―非上場化支援・IPO(企業が初めて株式を公開市場に売り出すこと)支援に関する実績があります。
・PEファンドの収益モデル
管理報酬(マネジメントフィー):ファンドの運用総額に対するジェネラルパートナーに対する管理報酬は、ファンド運用額の2%
成功報酬(キャリード・インタレスト):Exit(資金回収)が実現した時の成功報酬。通常、出資元本の超過収益分の20%
プライベートエクイティファンドの投資先の事例として、売上が低迷していた一戸建て販売会社を買収して、新経営陣の組成から始め、経営の改革を進め、事業モデルが5年間で変わり、業界トップになった会社があります。
【最後に】
最近、新聞やTVなどで、「投資」という言葉をよく聞くようになりました。大企業であっても買収や合併の対象になっています。そこに投資家や投資会社の名前が聞かれます。今回のご講演で、投資ファンドは、企業業績が低迷した会社、旧態依然とした経営手法の会社、後継者がいない会社などを買収して、投資を行い、様々な方策を講じて会社を再生させることであると理解いたしました。投資ファンドは、経済再生の大きな力となるのです。経済ニュースの見方が変わりました。難しいテーマを分かり易く解説いただき、ありがとうございました。
【以下開催時のご案内の抜粋】
三日月会5月度例会は、日本の独立系プライベートエクイティ(PE)ファンドであるアドバンテッジパートナーズの代表を務める喜多慎一郎氏に「PEファンドがこの四半世紀に果たしてきた本当の 役割」を多くの皆さんに解りやすく講演していただきます。足元では大手の日本の小売業の買収の話題を含め国内外のファンドが新聞紙上に登場しない日はありません。バブル崩壊後の低迷期からリーマンショック、その後の日本企業のガバナンス改革、MBOの増加、最近話題となっているアクティビストファンドの台頭など、現在そしてこれからの日本経済を考える時、PEファンドとは何か?を是非私達は知っておくべきではないでしょうか? 喜多氏によると「自社への一年間の入社希望者は数百人、そのうち採用は3~4人(多くが30歳前後) と現役世代の買い手市場になっていることにも驚かされます。現役若手世代の人達にとって、仕事への向き合い方、自分を成長させる環境の在り方について興味を持たれる方々が多いのではないでしょうか? 20年前、喜多氏と一緒に働いた経験を持つ私からのお誘いでもあります。 是非多くの皆様のご参加を賜りますよう、ご案内申し上げます。
記
日時 : 2025年 5月10日(土曜日)11時~12時30分【10時半時開場】 早く来られても入場出来ません。
開催日は第2土曜、 開催時間も今回は変更になっています。ご注意ください。
場所 : 関西学院東京丸の内キャンパス ランバスホール 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階
今回は丸の内キャンパスでの開催でございます。 銀座オフィスは3月末をもって閉室となりました。
アクセス :JR東京駅八重洲北口改札口より徒歩2分。 東京メトロ大手町駅B7出入口は改良工事に
伴い閉鎖しておりますがサピアタワーに直結しております連絡口は利用できます。
3階サピアタワーオフィスロビー受付前に「三日月会受付」を設置致します。(10:25~11:00 )
会費 : 1000円 〈小ペットボトルの飲み物を用意致します。〉
講師 : 喜多慎一郎氏 株式会社アドバンテッジパートナーズ代表取締役 シニアパートナー
1970年 金沢市生まれ、中高はバスケットボール部に所属、神奈川県立湘南高校卒業
1989年 東京大学入学、「あしたのジョー」に憧れボクシング部に入部、主将、国体5位入賞
1993年 米系コンサルティング会社ペイン&カンパニーに入社、2000年UCバークレービジネススクール修了
2003年 株式会社アドバンテッジパートナーズに参加、株式会社アクタス、株式会社カチタス、株式会社ネットプロテクションズ、株式会社やる気スイッチグループホールディング等への投資実行、経営支援を手がける。
現在、アドバンテッジパートナーズの日本バイアウトファンドの投資責任者であり、マテリアルグループ株式会社、株式会社保険見直し本舗グループなど数社の非常勤取締役を務める

