2026年3月の三日月会は、本学総合政策学部卒の尾登雄平氏に「人はなぜ信じるのか?」「教祖とは誰なのか?」というテーマでご講演いただきました。“もしも世界的教祖を現代ビジネスの起業家にたとえたらという、知的興味を刺激する貴重な機会です”との例会案内に魅せられた28名の方が受講されました。ご参加ありがとうございました。
【ご講演の内容】
「人はなぜ信じるのか?」では、“宗教は何のためにあるのか”という素朴な疑問からスタートし、伝統宗教とカルトの違いなど、身近な事例に触れながらの解説がありました。「教祖とは誰なのか?」では、 “教祖の分類”を基に教祖と言われる人物の特徴を解説。続いて、ムハンマド、ブッダ、マーニーの3人の生涯を現代ビジネスの起業家にたとえてみたら、という斬新な視点から紹介されました。
1.宗教は何のためにある?
・科学では答えられない根源的な問いに答えをくれる。
人はどこから来たのか。人は何のために生きるのか。人は死んだらどうなるのかなど。
・ひとりでは実現不可と思われる事柄の実現を祈り願う。
幸せになりたい。誰かを幸せにしたい。悩みを解消したいなど。
・人に規範や社会性をもたせる。
正直に生きる。他人に公明正大に接する。働いて人や社会に尽くそうなど。
⚫︎人間は悲しみや不安が大きいと、心のバランスをとろうと宗教的な存在を求めることがある。また、心を埋めるためにハードに働く、アルコールやドラッグにはまることも多い。信仰の度合いは、身分や貧富、IQは関係がなく、「神の存在を身近に感じられるか否か」がポイントとなる。
2.教祖の分類
A.社会活動家 (例:イエス・キリスト、ムハンマド、ブッダ、空海)
・社会課題や国家課題の解決を宗教の力を使ってやろうとする。
・以前の社会秩序が崩壊し、人々がアイデンティティ・クライシスを迎えた時に出てくる。
B.求道者(例:ディオゲネス、老子、荘子、聖フランチェスコ、ルター)
・自分の道をとことん極める。
・出世など考えず、道を極めた結果、周りから尊敬されて名が残った。
C.成り上がり者(例:ザラスシュトラ、マーニー、孔子)
・自分の才能を見せつけたいという強い思いがある。
・強い出世願望を持つ。
・出世のためなら権力者にへりくだることも厭わない。
3.教祖を起業家に例えると・・・
ムハンマド、ブッダ、マーニーの3人にスポットをあてて、彼らの生い立ちから紹介し現代ビジネスの起業家にたとえてみたら、このようなスタイルの起業家です、との解説がありました。ベンチャー企業、マネジメント、インフルエンサー、事業マニュアルなど聞きなれた言葉を入れての解説で、歴史的教祖と言われる人物が身近な人物に思えた内容でした。
ちなみに、氏の近著である『教祖の履歴書』には、諸般の事情によりムハマンド(イスラム教)の章はありません。今回の講演会でだけ聴くことができた内容です。
講演全体を通して、とても分かりやすく、例題も身近なものが多く、引きこまれる充実した内容だったと思います。世界的教祖を起業家にたとえたら、という斬新な発想と切り口で書かれている『教祖の履歴書』ですが、著者から直接聴くことで内容の理解度が深まりました。
【以下開催時の案内の抜粋】
現代日本で繰り返し話題となる新宗教やカルト問題。その背後にいる“教祖”とはいったいどのような人物なのか? 話題書『教祖の履歴書』の著者・尾登雄平氏をお招きし、歴史上の代表的な宗教団体の成り立ち、指導者の人物像、人々が惹きつけられる心理的背景、もしも世界的教祖を起業家にたとえたらという考察について、取材経験や多くの資料から得た情報を元にわかりやすくお話しいただきます。本書には、私たちが社会の変化を理解するための重要な視点が随所に示されています。教祖はどのように生まれたのか、歴史に学ぶ「信じる力」の光と影やイスラム教のここでしか聞けない内容も盛り込まれています。私たちにも身近な「人の心のよりどころ」の問題として考える契機となるはずです。知的興味を刺激する貴重な機会です。
皆様のご参加をお待ちしております。
記
日時 : 2026年3月14日(土曜日)11時~12時半【10時半開場】 早く来られても入場出来ません。
場所 : 関西学院東京丸の内キャンパス ランバスホール 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階
アクセス :JR東京駅八重洲北口改札口より徒歩2分。 東京メトロ大手町駅B7出入口は改良工事に伴い閉鎖しておりますがサピアタワーに直結しております連絡口は利用できます。
3階サピアタワーオフィスロビー受付前に「三日月会受付」を設置致します。(10:30~11:00)
会費 : 1000円 〈小ペットボトルの飲み物を用意致します。〉
講師 : 尾登雄平(オトウ ユウヘイ)氏
1984年 福岡県生まれ 2008年 本学総合政策学部卒 同年博報堂アイ・スタジオ入社 現在は東洋経済新報社に勤務する傍ら、世界史の面白いネタを収集・解説するnoteとYouTubeを運営、歴史ライターとしても活動し、ビジネス雑誌、歴史メディア、企業サウンドメディア、会報誌に寄稿する。著書に「あなたの教養レベルを劇的に上げる驚きの世界史」(KADOKAWA)、「激動のビジネストレンドを俯瞰する「働き方改革」の人類史」(イーストプレス)などがある。
近著 「教祖の履歴書 もしも世界的教祖を起業家にたとえたら」(東洋経済新報社)

