2026年三日月会4月例会は、関西学院大学文学部日本文学科をご卒業されて、岡山放送のアナウンサーを経て、劇団昴で舞台俳優としてご活躍されている米倉紀之子氏をお迎えして、「ことばをはこぶ!舞台俳優が伝える音読・朗読、そして健康」というテーマで、お話しいただきました。講演中には参加者の皆様にゆる楽体操と音読を経験していただくという、今までにない参加者参加型の楽しいご講演でした。33名の皆様のご参加ありがとうございました。
【ご講演の内容】
①局アナウンサーから演劇人へ
岡山のローカル局で3年間アナウンサーを務める中で、情報を伝えるより人の気持ちを伝える方が好きだと思うようになりました。上京時初めて観た芝居で言葉のエネルギーに感動し、自分がやりたいのは芝居(セリフを言う)だと気づきました。芝居の道を志し、局を退職。文学座と劇団昴の研究生になり、6年後に劇団員になりました。初舞台は30歳と遅めの出発でしたが、チエーホフの「桜の園」やトルストイの「アンナカレーニナ」で栗原小巻さんと5年間共演をしました。一番好きな作品は「ゴンザーゴ殺し」という作品で、シェイクスピアの「ハムレット」の劇中劇である「ゴンザーゴ殺し」をブルガリアの作家がピックアップして、新しく書いた作品です。その作品でアマリア役を演じました。
②稽古に入る前の準備 そして ゆる楽体操(スワイショウ)を一緒に
・セリフをどのように覚えるのか?覚え方①相手のセリフを録音し、自分のセリフは無音にして聞き覚える。②自分で相手のセリフを言って録音する。自分のセリフは無音。③全体を録音して繰り返し覚える。④相手のセリフに反応して、自分のセリフを言う。言えない箇所があれば復習する。⑤これらを何度も繰り返し言ってみる。体を動かして覚えると、よく頭に入る。⑥室内で覚えられたら、屋外でマスクしてイヤホンを付けてウオーキングしながら、相手のセリフを聞いて自分のセリフを言う。ウオーキングの途中どこでもセリフが言えたらセリフが入ったというサイン。⑦難しいセリフの時は、よりハードな場所で練習をする。
⑦で転倒した経験があります。舞台前は筋トレなどで体調を整えていました。この時は、体調を整えることが出来なかったのですが、ゆる楽体操スワイショウに出会い無事舞台に立つことができました。
・ゆる楽体操(スワイショウ)を一緒に
スワイショウは、中国発祥の腕をぶらぶらと振るだけの健康法で、負担なく効果が期待できる運動です。参加者と一緒にいくつかのエクササイズを行い、気持ちが良かったのとの感想が聞かれました。
③音読・朗読そして日本文学について
音読には、深い呼吸を促し、文字認識によって脳を鍛え、声を聞くことで耳を活性化せるなど、スポーツのような効用があります。
・現在、日本文学は世界的に注目されています。王谷晶さんの「ババヤガの夜」は、英国推理作家協会賞(ダガー賞)を日本人で初受賞しました。翻訳者のサムベットさんは、関西学院大学に1年半留学経験があります。また「BUTTER」の柚木麻子さんや「コンビニ人間」の村田沙耶香さんたち若い作家の作品が世界で読まれており、松本清張や太宰治の作品も人気で日本文学の豊かさが世界に認められています。
④さあ、音読を試してみましょう
2種類のText【二十人目のルール 井上荒野著】【ブリオッシュのある静物 原田マハ著】を使って、参加者10名の方々が、Textを選び、その中の5~6行を音読しました。音読された方から、緊張した、気持ち良かった、楽しかったなどの感想がありました。講師のご講評は、それぞれの音読は素晴らしく、リズム感が良かった、気持ちが入っていたなど的確で優しさのこもったものでした。
[感想]
最初に講師米倉紀之子氏の好きな作品の「ゴンザーゴ殺し」の一節を、演じていただきました。素晴らしい声と迫力で、とても感動しました。舞台人としての多くのご経験が、重厚な演技に繋がっているものと思いました。その経験から参加者と音読をするという楽しい時間を作っていただきました。また日常で負担なく効果が期待できる「ゆる楽体操」(スワイショウ)のエクササイズも楽しく教えていただきました。今回は、講師の方と参加者が音読やゆる楽体操を通して楽しく交流ができ、笑顔が溢れる三日月会でした。楽しいご講演ありがとうございました。
【以下開催時の案内の抜粋】
4月の三日月会例会は、劇団昴所属の舞台俳優として長年ご活躍の米倉紀之子氏より、「声を出し、言葉と身体で人に伝える」ことを生業としてこられた豊富な舞台経験を通して感じてこられた体験談をお話しいただきます。また、ご自身がケガのリハビリを契機に取り入れたゆる楽体操を、健康維持の一助として実技を交えてご紹介いただきます。さらに、私達の同窓会サークルでも継続されている読書・音読・朗読が、脳の活性化や心身の健康維持に有効であることを踏まえ参加者の皆様にも実際に声を出していただく体験の時間も予定しております。加えて、文化庁主催の国際文芸フォーラムでの司会に於ける翻訳家・演劇人との出会いを通じて実感された日本文学の素晴らしさが表現する魅力のひとつであることについてもお話しいただく予定です。多くの皆さまのご参加をお待ちしております。
記
場所 : 関西学院東京丸の内キャンパス ランバスホール 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階
日時 : 2026年4月4日(土曜日)11時~12時半【10時半開場】早く来られても入場出来ません。
アクセス:JR東京駅八重洲北口改札口より徒歩2分。 東京メトロ大手町駅B7出入口は改良工事に伴い閉鎖しておりますがサピアタワーに直結しております連絡口は利用できます。
3階サピアタワーオフィスロビー受付前に「三日月会受付」を設置致します。(10:30~11:00)
会費 : 1000円 〈小ペットボトルの飲み物を用意致します。〉
講師 : 米倉 紀之子(ヨネクラ キシコ)氏 1990年関西学院大学文学部日本文学科卒業
岡山放送(株)アナウンサーを3年間勤めた後、文学座附属演劇研究所、昴演劇学校を経て、1996年より劇団昴所属、現在に至る。
・舞台代表作 『花樟の女』(宇野千代役 Pカンパニー公演)。チェーホフ作『櫻の園』(ドゥニャーシャ役 エイコーン公演)。シラー作『群盗』(アマリア役 劇団俳小公演)。ノエル・カワード作『夕闇』(リンダ・サヴィニャック役 現代演劇協会公演)。ダニエル・キイス作『アルジャーノンに花束を(アリス・キニヤン役 劇団昴公演)。シェイクスピア作『夏の夜の夢』(ハーミヤ役 劇団昴公演)。ドストエフスキー作『罪と罰』(ソーニャ役 劇団昴公演)。倉本聰作『オンディーヌを求めて』(谷村めぐみ役 劇団昴公演)。 ゴーリキー作『どん底』(ナースチャ役 劇団昴公演)。矢代静一作『宮城野』(宮城野役)。夏樹静子原作『女優X』(伊沢蘭奢役)。 宮本研原作『ブルーストッキングレディース』 (伊藤野枝役)。他出演舞台多数。TV(「坂の上の雲」、陸奥宗光夫人役。「大河ドラマが生まれた日」八百屋の女主人役。他ナレーション等)

