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社会で活躍する同窓生をCLOSE UP 輝くKG同窓生のインタビューとメッセージを掲載します。
KG PEOPLE 002 平松一夫氏  関西学院大学 学長

重名 恬氏 「躍動する関学」を目指し
改革を推進する新学長

輝いている関学OBを訪ねる「KG−PEOPLE」。
第2回にあたる今回は、4月に新学長に就任された平松一夫氏に、関学の思い出からこれから関学が目指す姿まで、お話しを伺いました。

関西学院大学 学長 平松一夫氏

大学紛争に愛校心を知った大学時代 「GOLDEN60’」と謳われた1960年代。この華やかな高度成長の時代に平松氏は関西学院中学部に入学。高等部を経て進学した関西学院大学では、大学紛争を目の当たりにした。

平松氏: 東では東大、西では関学で学生運動が盛んで、大学は封鎖され授業もストップする状況でした。1968年当時、私は3回生で全共闘には友人もいました。彼らの“日本を変えよう、大学を変えよう”という思いは理解できましたし、尊敬する部分もたくさんありました。ただ、私はまったく違った立場から関学を守ろうということで、非暴力の組織を作ったのです。全共闘がヘルメット、ケバ棒、火炎瓶で武装するのに対し、私たちは素手で立ち向かうのですから、そりゃ怖かったですよ。身を守る鎧といえば、お腹に巻いた週刊誌でしたから。この紛争を経て知ったことは関学を守る、という一種の愛校心です。立場の違いはあれど全共闘も思いは同じだったのです。 また、同窓の方々の母校に対する思いの深さですね。紛争当時は、同窓の方が支援くださり、深く感謝しています。今、私が教職員や学生の声はもちろんのこと同窓生の 思いも反映しながら良い大学を作らないといけないと感じているのは、この経験があったからでしょう。大学は翌年夏には正常化し、夏休み返上で授業が行われました。「やっと授業ができる」という喜びで、たくさんの学生がクーラーもない酷暑の教室、汗だくの授業を受けに大学に集いました。大学の改革も進む中、誇りに満ちた学生たちでキャンパスは活気に溢れていましたね。

―会計学との出会い 国際会計学者としても第一線で活躍される平松氏。 会計学との出会いも、関学で学んでいたからこそだった。

平松氏: 中学部での矢内(やない)正一先生との出会いが始まりです。矢内先生の影響で、私も関学の精神を伝える教師になろうと志しました。当時、商学部には青木倫太郎先生という日本の会計学の権威がおられまして、その門下生である先生方から、指導を受けることができました。あわせて、関学で教職につくにはどんな分野がいいか。高等部時代に自己分析を重ねた結果 、会計学にたどり着いたのです。 大学での「会計研究会」の活動は思い出深いものです。一生懸命学ぶ多くの友人の姿は刺激でもあり、見ていて気持ちがよく、尊敬できるものでもありました。関学では、本当にいい出会いを授かりました。今度は私が学生に同じ気持ちを与えていけるくらいになりたいものですね。

―国際会計学からみる世界の中の日本
国際会計学者としてグローバルに活動を続ける一方、現在も350名の部員を抱える 「会計研究会」顧問でもある平松学長。国際会計学を通じて見えてくる、現在の日本 とは。

平松氏: 悲観的な面からいうと、世界に貢献しているとは言いがたい状況です。グローバルスタンダードという世界のうねりの中で、日本の独自な考え方を持ち、逆行してしまうことがある。最近も話題になっている日本の外交感覚の問題ですが、これらと同じことが会計の世界でも起こってきたのです。世界が一定の方向を見ているときに、日本 の会計は違う方向を向いていることが多々あるのです。国内で通用したことが国際的には通 用しない、国際感覚の欠如は会計学においても問題となっています。 さらには、語学力の問題もあります。学者や公認会計士でも英語の議論についていけずに、会議に出ても十分に発言できないこともありました。しかしこれに対して現在 は、世界に歩調を合わせ世界に対して発言しようという動きが始まっています。若い世代が危機感をもって、新しい仕組みづくりを試みていることに期待はできるでしょう。しかし、まだトップランナーには程遠い。2周遅れでようやく、前のランナーの背中が見えてきた、という現状ですね。

―現在の関学・これからの関学について
母校関学は、平松学長のもと「Dynamic Kwansei」をスローガンに改革進行中。さ て、どんな大学を目指しているのだろうか。

平松氏: これからの課題は、さらに全国区を目指すことです。東京にいる同窓生なら特に、知 名度については「もっと頑張ってほしい」と思われていることでしょう。 わが校は、今秋で114年という伝統があり、国際性も豊かです。創立当時から外国人が多く「英語の関学」と呼ばれるほどで、視野の国際性についても優れたものを持っています。そして何より、関学が培ってきた建学の精神、「Mastery for service」。耳が痛くなるくらい聞かされた、格別な響きです。各大学に教育理念は 数あれど、これほど学生の心にいつまでも刻まれる言葉は少ないのではないでしょうか。全世界で通 用する、人類にとって普遍的な言葉です。 関学は今、全国・全世界に貢献できる大学になるために、世界に通 用する人材の育成 を目指しています。「英語、パソコン(IT)、専門分野」は三種の神器。前者2つは 当たり前となりつつありますが、専門分野を伸ばすには学部教育の充実、大学院の発 展が不可欠となるでしょう。また、学生への評価はもちろん、学生による授業評価やコンピュータでシラバス(講義計画)を公表するなど、教員に対しての評価の仕組みも築きつつあります。また、ロースクールの設立や産学連携の強化など、大学競争時 代における関学の使命を考え、その特性を伸ばしながら世界にはばたく人材づくりを 目指して、変わろうとしています。現在、理事会との協力で『21世紀の関西学院大学 基本構想』を作成中です。積極的な関学の姿、それを実現してゆくのが私の努めだと 思っています。

【東京の同窓生へのメッセージ】

 東京にいらっしゃる同窓生の方は、特に感じておられると思いますが、「関西学院」の名はまだまだ全国区ではありません。もっと母校の知名度が高くなってほしいと願っておられるでしょう。その点もふまえて、私たちは企業とのコミュニケーショ ン、講演会などを通じて、関学の知名度を上げる努力をしています。スポーツを強くするというのもそのひとつですね。卒業生の期待に応えるため、国内はもとより、世界的にも業績をあげてゆかねばならないと認識しています。さらに、同窓生に母校を誇りに思ってもらうためには、関学が時代の要請に応えた、社会的な役割を果 たして いる大学であることを、広く知らせねばなりません。この点においては、教員の研究 内容についても積極的に情報提供し、その研究成果を通じてメディアに登場すること も促進していく予定です。東京という離れた地でも、テレビや新聞といったメディアを通 じて母校の動向がわかれば、同窓生も勇気づけられることと思います。確実なこ とだけでなく、新しい試みに積極的にチャレンジできる大学にしてゆくことが、学長である私の役割だと感じています そして、建学の理念・「Mastery for service」をもう一度思い出してください。これは全世界に通 用する素晴らしい理念なのです。関学で学んだこと、その基礎にある建学の理念・「Mastery for service」の意味をもう一度考え、誇りを持って頑張ってください。私たちも、同窓生が誇りに思える関学の姿を、東京の同窓生に見せられるよう努力してゆきます。 動きつづけて沈まないように。リスクがあってもやるべき時にはやる、という決断力。積極的に提案・チャレンジし、ダイナミックな関学を目指しますので、ご理解・ アドバイスをお願いします。

【平松ゼミ生の絆・松門会】

 関学同窓生の母校への思いは、ほかの大学から見ると異常なほど強いと言われるこ とがあります。決して排他的ではないにせよ、その団結力には驚くこともあるようで す。事実、私はどこに行くにもゼミの名簿を持ち歩いています。毎年更新していて、 すでに1期生から現役生まで710名分。毎年お正月に私が作成しています。ですから、 学生にもお正月には遊びに来るなと言ってあるんですよ。東京や地方、海外で活動す る卒業生に会えるのも、この名簿のお陰です。ぜひ、みなさんも先生に便りを出して いただきたいですね。

「松門会」と書かれた名簿をかたときも離さない平松学長。
毎年4月には、全員に発 送するが、宛名不在で戻ってくるのはほんの一部だという。毎年届くこの名簿が、同窓生の支えになっていることは間違いないだろう。
あなたもふと、懐かしい恩師に便 りを出してみてはいかがだろうか。

【PROFILE】
平松 一夫(ひらまつ かずお)
1970年商学部卒業。専攻は会計学。大学院商学研究科に進学した後、75年商学部の専任講師に就任。77年から79年までワシントン大学に留学、国際会計学を学ぶ。同年に は商学部助教授、85年に教授となる。国際交流部長、入試部長を歴任したのち、2002 年4月から学長に就任。会計研究会のほかアメリカンフットボール部、写 真部の顧問 もつとめる。 1947年生まれ、54歳。
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