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社会で活躍する同窓生をCLOSE UP 輝くKG同窓生のインタビューとメッセージを掲載します。

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  015 広野道子さん  21LADY株式会社 代表取締役社長 


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関学での生活環境が生みだした
店舗をプロデュースする千里眼




大学卒業後、履歴書に連なる職歴は片手では足りないほど。DPE最大手プラザクリエイト、コーヒーショップ「カフェドクリエ」や「タリーズコーヒー」、さらには定食屋チェーンの「大戸屋」など……多くのフランチャイズ店舗を成功に導いてきた。2000年には「ライフスタイル産業に女性の能力を生かしたい!」という思いから、自らの会社<21LADY株式会社>を設立。事業の手始めに洋菓子の名門・ヒロタを経営苦境から再生させたニュースは、多方面で話題となった。柔らかな物腰や優美な雰囲気からは想像もつかない、男性顔負けの硬派なビジネス見識を展開する底力、その原点は関学時代にあった。

在籍は文学部、愛読書は経営書?!

京都府与謝郡岩滝町、丹後縮緬の産地で生まれた広野さん。実家の家業は、京都の和装業者の注文に応じて、織り屋さんに白生地を発注し、できた製品を集荷する委託代行店を営んでいた。

「実家の家業はもちろん、祖母の家は和菓子店、親戚のほとんどが何かしら商売をしていましたね。昭和40年代のオイルショックの時にも、祖母の家にはお砂糖のストックが十分にあって困ることはなかったほど。そんな環境で育ったので、漠然とですがビジネスに触れる機会が多かったのかもしれません。子供の頃は、学校よりも習い事に夢中だったことが思い出されす。なんだか10個以上は手を染めていたような……興味があるととにかくのめり込む性格でした、それは今でも変わりませんが(笑)」

関学では文学部に在籍。その愛読書を伺うと?

「在学中に小説や戯曲、文学集を読んだという記憶はほとんどありませんね(笑)。経済や経営の本ばかり読んでいました。城山三郎さんの著書をはじめ、松下幸之助などといった経営者の伝記は特にたくさん読みましたね。<文学部のあなたが、なぜ経営学なの?>とよく聞かれましたが、森鴎外がそうだったように一方では文学者の顔をもちながら、もう一方では医学者という別の顔をもつ。社会全体の広い視点から、物事を追求していくことが大切だと感じていたのでしょうね。でも、一番の理由は単に興味があったからです(笑)」

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イチ早く新しい情報をキャッチ
  苦楽園に学んだ商業文化


そんな広野さんが関学を選んだきっかけは、予備校時代に大学見学をしたことにある。キャンパスに惹かれた理由に、桜並木やロマンチックな時計台、中央芝生の美しい風景を挙げる人は多いが、広野さんは「神戸という街が面白かったから」と語る。

「阪神間の地域は、かなり特殊な社会構造をしていると思います。仕事をするのは大阪、優雅に暮らすのは神戸、というように街の構造そのものが棲み分けされているんですね。ご存じのように関学の付近は高級住宅地です。当時、洋館を改装したカフェや車でわざわざ訪れるような隠れ家的なレストランが続々とオープンして、学生からするととても大人の街に見えました。新しいお見せを見つけては、ゼミの友達とチェックしに行きましたね。常にアンテナをたてていて、雑誌よりも早くオープン情報をつかむほどでした(笑)」

豊かなライフスタイルの在り方、地域性、人の流れ方などを、学生時代から実感していた広野さん。また、こんなエピソードからも、広野さんの観察力の鋭さが伺える。

「でも、関学周辺に暮らすアッパークラスのマダムたちも、何もかもにお金を費やすというわけではなかったようです。私が住んでいたのは苦楽園口を最寄り駅としていましたが、例えば輸入食材や素材にこだわるものは<いかりスーパー>で、日用品などは<コープ>で、というようにちゃんと使い分けをしているんですね。やはり女性はお金にシビアで、やりくりが上手いなぁと感心した覚えがありますね(笑)。こうした小さなことの積み重ねが全て現在の私の仕事に生きているわけです」

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女性がハッピーになれば、社会全体が動き出す

大学を卒業後はコンサルティング会社のベンチャーリンクに在籍し、数多くのフランチャイズを立ち上げた実績をもつ。そして2000年、自分なりのアイディアを存分に試すと同時に、女性の就業を手助けしたいという気持ちから自らの会社を興した。

「一人の消費者、ユーザーの立場になった時、自分たちのニーズに合った本当に欲しい物やサービスを提供してくれる業種は、やはりチェーンストアだと思うんです。つまり生活により根ざしたチェーンストア=女性に支持されている高感度型のブランドなんです。女性達の生き方、働き方はどんどん多様化していて、それが社会に活力を与えていて、部分的には社会をリードしていると思います。女性たちの日常が豊かになり、ハッピーになれば夫や家族も幸せになり、ひいては世の中全体をも動かすと、私は信じています」

そんな広野さんから若い世代にアドバイスをいただいた。

「とにかく、自分が興味をもったことに関しては、とことんのめり込んでみることですね。コレという興味があることがない人は、アンテナをたて、自分の足を運んでいろんな物事を実際に見たり聞いたりすること。私は今でも街歩きが最大の楽しみです。休日には夫と一緒に繁華街をあちこち散歩します。新しいものに敏感で、いまや東京の名所となっている再開発エリアやニューオープンのお店は、必ずチェックしますね。オフを楽しんでいるつもりでも、ついつい内装や品揃えなど、店舗経営の目が光ってしまうのが悲しい性ですが……。21LADYに、エネルギー溢れる関学の生徒が入社してくれることを、心よりお待ちしています」


 

【PROFILE】
広野道子さん

(ひろの みちこ)
1961年京都府生まれ。関西学院大学文学部卒業。コンサルティング会社ベンチャーリンク入社、その後プラザクリエイト社長室室長、三井物産グループのベンチャーキャピタルMVCの上級副社長、タリーズコーヒージャパン副社長、大戸屋の社外取締役などを務める。2000年3月、21LADY株式会社設立。2002年にはスポンサーとなった株式会社洋菓子のヒロタ(現100%子会社)の代表取締役社長に就任。2004年、関学同窓会東京支部で創設された「KG東京アウォード」にて、”時代を担う若手の代表”として奨励賞を受賞。
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