＜万葉集を楽しむ会＞
「あいざいやゆうと万葉集を楽しむ 会」(正式名)では講師が万葉集に詠われている花に焦点を当てて、その花がどう詠われているか、どのような思いをこめたかなどを、歴史の背景とともにわかりやすく説明します。参加者は万葉名(雅名)で参加し、しばし、日常を忘れて、万葉集の世界に浸っていただくという会です。楽しい会です。２ケ月に一回 (偶数月の第一水曜日）、東京ランバスで開きます。
講師：吾意在野游（あいざいやゆう）「魂を抱きしめて――桜子」を2009年10月出版。本名高木紀世 子（たかぎきせこ）文学部史学科(ドイツ史)卒。３年半前に外資企業の社長を退任し、現在、経営コンサルタント。華道・香道師範、茶道は準教。中学生のころ から万葉集に親しみ、関学時代は同好会で万葉の植物を研究。英語、ドイツ語を話し、古文・日本伝統文化が大好きと言う異彩。
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第五回(平成24年12月5日)のご報告 今回の花「ヒノキ(桧)」
日本原産の針葉樹。福島県〜九州。日本と台湾のみ。古事記、日本書紀に登場。木目が通り緻密。３０メートルに育ち、１０００年持つ。狂いが少なく工作がしやすい。色合い、香気、光沢に富む。高級建築用材。木材の王。樹皮は赤褐色で帯状に剥がれる。「檜皮葺（ひわだぶき）」「檜垣（ひがき）」「檜舞台（ひのきぶたい）」｢檜風呂｣。木曽(赤沢)の檜：「檜」(中国語)は別物。花言葉：「不滅」「不老」「不死」「強い忍耐力」
ヒノキが詠われている万葉集の歌の中から今回は柿本人麻呂の歌を二首をご紹介しました。両方とも三輪の桧原を歌っています。
いにしへにありけむ人も我がごとか三輪の桧原にかざし折りけむ
07/1118 柿本人麻呂
(意味) 昔の人も私たちのように三輪の桧原(ひはら)で、小枝を折って髪に挿(さ)したことでしょうか。
行く川の過ぎにし人の手折らねばうらぶれ立てり三輪の桧原は
07/1119 柿本人麻呂
(意味)昔の人が手折ってくれないので、力なく立っています。三輪(みわ)の桧原(ひはら)は。
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あいざいやゆう（萬游）よりみなさまへ
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２０１２年最後はヒノキにすることは実は年初から決めていました。今年扱った花はすべて日本原産です。最後は日本原産で万葉集にも古事記にも登場するものにしたいと思っていました。今年２０１２年は古事記１３００年紀でしたので。ですから、夏は木曽の赤沢美林に行ってきました。そして、１２月、甲子園ボウルの前の日に桧原神社で行ってきました。そのヒノキの霊気を身に付け甲子園ボウルの応援をしたおかげでしょうか。最後の最後で逆転勝利でした。人麻呂の歌のように昔の人がヒノキの生命力や霊を得るためにヒノキの枝を頭に指していたというのは「なるほど」と実感しました。桧原神社は不必要なものをすべて取り除いた「静謐」という言葉はこの神社にあるのだと思わせる神社でした。山の辺の道には万葉集や古事記の歌の碑がたくさんあり、多少、険しくても楽しいですよ。若いころ、何度か歩いた山の辺の道ですが、若いころとはまったく違った印象でした。
どの教室でも木曽五木の中でよく似ているヒノキとサワラとアスナロの見分け方の説明をしました。葉の裏の気孔のＹがヒノキ、Ｘがサワラ、Ｏがアスナロ。ヒノキの葉を回覧しましたが、Ｙが見つかった人とわからないという人の比率は７：３でした。今回、東京ランバスの参加者は意外にも少なかったのですが、横浜や湯河原はいつもより多い参加者でした。横浜教室（関学Ｂ／ＯＧ)の方のも入れ４人の方の感想です。
●参加者の感想��
いつもサークルの集まりの前日になると、今回の万葉集の歌と花はなんだろうか〜と、気持ちが高ぶり、当日は高木先生のお話をお聞きするのが大変楽しみです。今回（12月度）は、ヒノキ（檜）別名は真木（マキ）。意外に花ではなく樹木が題材。ヒノキは日本と台湾にしか生息せず、色合い、香気、光沢に富み加工後の外観も美しい。法隆寺、伊勢神宮など高級建築用材に使われているとのこと。ヒノキの歌は、柿本人麻呂の2首が発表。「いにしへにありけむ人も我がごとか三輪の桧原にかざし折けむ」、「行く川の過ぎにし人の手折らねばうらぶれ立てり三輪の桧原は」。初めて知ったことばとしては「うらぶれて」、「心のよりどころをなくす」と云う意味。なるほどそうかと、また一ついつも高木先生からは、人生の潤滑油のような清々しいお話を承り、会が終わるころにはひとつ自分が賢くなったような気がする。「万葉集を楽しむ会」は、肩がこらず楽しく季節の花や万葉の歌を学ぶので、自分にとっ勉強になった。ては本当に充実した２時間だ。次回は2月、今から待ち遠しい。（Ｓ４６経卒：※夢葉）
●参加者の感想��
大学受験の直前まで悩まされ続けた"不得手な古文・漢文"から解放されて久しい人生でしたが、40数年が経過した今、高木先生に「騙されたと思って一度『万葉集を楽しむ会』に体験参加してみて下さい。」と薦められ冷や冷やしながら参加しました。先ずは、花や樹木の植物観察の新鮮さが５０〜６０年ぶりに蘇ってきました。故郷の野山を駆け回っていた子供のころ、道端で見つけた草花を押花にしたことやあぜ道の独特の香りが新鮮に甦ってきました。嗅覚・視覚を駆使して、上品で艶やかで微かな香りや葉脈の文様に久し振りに出会って、ある種の快感が呼び覚まされた感じになりました。貴重な体験になりました。有難うございました。（Ｓ４７年経卒：※萬唯)
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| 桧原神社(桜井市) | 桧原神社の近くで手折った本場のヒノキの枝 | ヒノキと木曽五木の写真(回覧) |
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| 配布資料２枚（万葉集に加え、古事記と上代日本語の話も) | 着物は桧垣文様(右→の写真の方がよくわかります） | 帯は木曽五木、帯留はＹの字（ヒノキの裏はＹの字の気孔） |
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| 東京ランバスの参加者 | 兵庫県赤穂市の教室(今回は花岳寺が会場。趣のあるお部屋で) | 記念品の木曽のヒノキ(片)と日光の湯玉(お風呂に入れます) |
●参加者の感想��
横浜夜のクラス（H22年12月）の第一回目の「松」から２ヶ月に一度のペースで今回13回目の「桧」まで心待ちに皆勤している古株の萬遥です。〓万葉集に歌われている花をテーマに回を進めるということでとてもすんなり参加させていただきました。が、万葉集の歌をひもときながらいつも思うのは単純に作られた言葉は一つとしてない。と、いうことです。1300年の時が流れた現在まで形を変遷させながらも継承されていく様がはっきりとわかります。歌を通してその時代の政治や社会、生活、人間模様、感情などなど網羅して広く深く知識を得、日本文化に触れられるこの一時を大切にしています。（Ｓ４９文卒：※萬遥）
●参加者の感想��
「あいざいやゆう」と万葉を楽しむ会、第１３回(横浜夜のクラス）ヒノキ、檜を終えて。この会には、六月の忘れ草から参加しております。植物が入り口で万葉集を楽しむ会であるのですが、そこからお話しくださる奥深い話題の数々や歴史的事例、実際に行って感じられた事などいつも感動して聞いております。今回は、特に１０００年の命を持つ木材の王の檜がテーマだったのでなおさら悠久の時間を感じさせて頂きました。新しい知識が増えることももちろん楽しいのですが如何に興味をもって行動し生きていくかを学ばさせてもらっているように思います。檜原神社は、奈良に行ったら必ず立ち寄りたいと思っております。花言葉に「不老、不死」のある檜のように。この会もこれからも不滅でありますようにと祈っております。次回の万葉を楽しむ会を楽しみにしております。（Ｓ５３社卒:※瑠萬）
※ 参加の皆様の万葉名(雅名)です。雅名は｢萬｣か｢葉｣のいずれかを使い、漢字二文字となります。先生は萬游（まんゆう）です。同じ雅名は使えませんので候補をあげて先生に決めてもらいます。
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新年から、ちょっと古きを訪ねて日本人を感じてみませんか。古文や万葉集の基礎知識は不要です。花が好きな方、万葉集の時代に興味がある方、お待ちしています。もちろん、万葉集が好きな方は一緒に楽しみましょう。
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第六回のご案内
日時：平成２５年２月６日（水） １０：００〜１１：３０
場所： 東京ランバスホール
参加費： １５００円（資料、花に関する記念品含む）
申込： kkforest8569@ac.auone-net.jp
（あいざいやゆう）
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東京ランバス開催日にご都合の悪い方は下記横浜の教室へどうぞ。いずれも内容はほとんど同じです。こちらは一般の方が参加していますが、関学ＯＢ／ＯＧ（神奈川支部会員）もいます。
横浜教室
日時：平成２５年２月１０日（日） １０：００〜１１：３０
２月２０日（水） １９：００〜２０：３０
場所：杉田地区センター（京急杉田駅ビル）
参加費： １５００円（資料、和菓子、花に関する記念品含む）
申込： kkforest8569@ac.auone-net.jp
（あいざいやゆう）
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■■■◆◆万葉集マメ知識��◆◆■■■
万葉集(７６０年代)に詠われている歌は２０巻約４５００首と言われています。古今集(９０５年)が２０巻１１１１首、新古今集(１２０５年)が２０巻１９７９首に比較するとものすごい歌の数です。しかも、都で詠われた歌だけではなく、全国各地で詠われた歌があり、東歌があり、防人の歌があり、貧窮問答歌があります。歌の形式も短歌だけではなく長歌、旋頭歌（せどうか）｛５７７．５７７｝など、バラエティに富んだ歌集です。新古今集の時代になるとすべて短歌だけになります。
−−−ここまで読んでくださってありがとうございます。
☆⌒(*＾-°)vv Danke！！
＜今後の活動＞
| 第六回 | ２月６日(水） | １０：３０〜１２：００
２０１３年より開始時間を３０分遅くいたしました。 |
| 第七回 | ４月３日(水） | １５：００〜１６：３０ 会終了後、夕食会を開きます。 |
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■2013年03月11日更新分
■2012年12月28日更新分
■2012年11月03日更新分
■2012年09月03日更新分
■2012年08月08日更新分
