【講演の概要】

三日月会5月例会は、元NHKアナウンサーで現在は千葉県熊野神社の神職に就いておられる宮田修氏をお招きして、神戸淡路大震災時の放送体験談、また、アナウンサーからどのようにして神職になられたかについてお話いただきました。60名の皆さまに御参加いただき無事終了いたしました。まことに有難うございました。

 宮田氏は10回の転勤を経て,39年間NHKに勤められましたが,大阪と神戸の通算、7年間の関西勤務は特に楽しかったとか。20年前の神戸淡路大震災発生時のニュース報道は忘れることのできない大変な経験だったそうです。2005年1月17日午前5時46分、何の前触れもなく地震が起こりました。「おはよう近畿」放送のためいつもどおり5時半からカメラの前で待機中だったため、3分後には迅速に地震発生のニュースを大阪支局から流し、以後午後1時までの7時間余りと夜は午後7時から11時前まで、1日13時間に亘って地震の被害状況を報道し続けるという偉業をなし遂げられました。その間は意識が透明になり、ものすごく集中力が高まって、食事やトイレのことさえ忘れてしまっていたということです。

アナウンサーというのはストレスの多い仕事です。宮田氏はストレス解消のために千葉に古い民家を借りてのんびりするつもりでした。借りた家の大家さんは熊野神社の神主さんでしたが、病気になられ、しかも後継者がいないということで宮田氏に白羽の矢が立ちました。直ぐに断られましたが、「神主に停年はない」、「神様以外神主がだれよりも偉い」と熱心に頼み込まれてついに引き受けることになりました。通信教育で神職の資格を取り、アナウンサーの仕事と兼任しつつ、退職されてからは神主一筋でいらっしゃいます。

さて,最後に「日本人が忘れてしまった事」についてのお話を頂きました。ひとつは、命に対する考え方です。「中今を生きる」。自分が生きているのは先祖がいるということ、自分の命は先祖からの預かりものであるので、永遠に命を続けるためのリレーをしなければならない。「今」の命は,命の連鎖の「中」を生きているということなのですね。誕生日というのは、自分を祝ってもらうのではなく、両親、特に母親に感謝する日であること、先祖の写真を家に飾って、子供たちに先祖について自発的に考えさせることなど、自然との共生も含めこのように戦前では当たり前であったことを都会で暮らす我々は忘れてしまっています。

宮田氏のお話を伺って、日本人のあり方を考えさせられました。

【以下5月のご案内文】 

527日(水):三日月会2015年5月度例会のご案内

 若葉の緑が目にも鮮やかなこの頃、皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます。

さて、5月度の三日月会は20年前の神戸淡路大震災発生直後の446分から13時間の長きにわたって地震災害・被害の状況を休みなく刻々と放送し続けた元NHKアナウンサー宮田修氏にお話し頂きます。宮田氏は、NHKご退職後現在は千葉県長南町の熊野神社で神職に就かれています。

震災当日の災害状況を正確、迅速に伝える放送の使命、放送環境等のお話しの他、神職に就いて体験し感じた自然への畏敬、自然と災害、社会の在り方、助け合う心等私達が忘れかけている事象・事例についてお話を頂きます。多数の皆様のご出席を賜りますようご案内申し上げます。

日  時 :2015年5月27日(水)12151330

場  所 :関西学院大学東京丸の内キャンパス ランバスホール

      千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階

       3階サピアタワーオフィスロビー受付前に「三日月会受付」(11:3012:10)を設置。

会  費:1,500円(軽食は11:45から講演前にお出しいたします。)

スピーカー:宮田 修(みやたおさむ)氏  元NHKアナウンサー・熊野神社神職

1970年NHK入局 旭川局配属 その後神戸、福島、岡山、広島、大阪、東京局勤務。2002年4月神職資格取得。03年6月千葉県長南町熊野神社宮司拝命。      04年11月NHKアナウンス室部局専門委員。07年11月アナウンス室契約職員。08年10月NHK退職。      現在 「セレモアつくば」イメージキャラクター。      講演 「緊急報道」「情報の整理と報道」「親しみやすい話し方」。 著書 「危機報道」~その時私は~ 「こころを楽にする生き方」。 

タイトル :『アナウンサーから神職になって日本人が忘れてしまった事』

人数に制限がございますのでお早めにお申込み下さい。{最終申込締切5月21日(木)}なお、出席される方のみお返事を頂きますようお願いします。

*申込方法:

次のリンクをクリックしますと申込みのフォーマットが出てまいります。必要事項を入力の上、送信ボタンを押してください。正しく送信されましたら、送られたメールアドレスに「ご連絡有難うございました。三日月会への出席申込を受付いたしました。」のメッセージが返信されますので必ずご確認ください。

(申し込みは終了しております)

 お問合わせ先:東京支部  TEL 03-5224-6226  FAX 03-5224-6227

  E-mail: kg.tokyo@nifty.com

【次回予告】 6月度三日月会は6月25日(木) 半田まゆみ氏(学校法人阪神専修学園ヘアラルト阪神理容美容専門学校理事長 ヘアメディアプロデューサー)

仮称「知られざる髪の秘密、髪にまつわるその文化」

以上