5月15日の例会は国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展-日常を描く 風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄-」を鑑賞しました。風俗画という切口からヨーロッパ絵画を概投稿一覧観するという試みの展覧会でした。注目すべきは、フェルメールの「天文学者」が初めて日本で公開されたことです。
以下は主催者のHPからの引用です。本展覧会の内容が整理されていると思います。

 史上空前!風俗画の歴史を一望する本格的な展覧会

日常生活を題材とする風俗画は、制作された社会の状況や世相を反映しているため、その表現は時代・地域によってさまざまに異なります。多様性にあふれる風俗画の歴史を包括的に跡付けることを試みた展覧会は、世界でもほとんど例がありません。 この展覧会では、16世紀初頭から19世紀半ばまで、約3世紀半にわたるヨーロッパ風俗画の多彩な展開を、約80点の名画によってご紹介します。膨大なコレクションを誇るルーヴル美術館だからこそ実現できる史上空前の風俗画展です。

フェルメールの《天文学者》、待望の初来日

17世紀オランダを代表する画家フェルメールの円熟期の傑作、《天文学者》が待望の初来日を果たします。第二次世界大戦中にはヒトラー率いるナチス・ドイツの手に渡るという数奇な運命をたどった作品です。ルーヴル美術館に所蔵されるフェルメール作品は、2009年に来日を果たした《レースを編む女》と、《天文学者》のわずか2点しかありません。そのため、《天文学者》は、ルーヴルを離れることがほとんどない作品のひとつでした。本展覧会は、この貴重なフェルメール作品を日本で堪能できる、またとない機会となります。

各国・各時代を代表する珠玉の名画が集結 ――風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄

16世紀イタリア・ヴェネツィア派を主導した巨匠ティツィアーノ、16世紀ネーデルラント絵画を代表するピーテル・ブリューゲル1世やクエンティン・マセイス、17世紀フランスの風俗画を語るうえで欠かせないル・ナン兄弟、17世紀スペイン・バロックの巨匠ムリーリョ、18世紀フランス・ロココ絵画の立役者たるヴァトー、ブーシェ、シャルダン、フラゴナール、そして19世紀レアリスムの旗手コロー、ミレー…。本展では、各国・各時代の「顔」ともいうべき画家たちの珠玉の名画が集結します。

現実の記録か、絵空事か?――風俗画のおもしろさ

私たちは風俗画を通じて、時代も国籍もさまざまに異なる人々の服装や髪形、生活習慣などを事細かに知ることができます。たとえば、フェルメールの《天文学者》における学者は、日本の着物に似た変わった形の衣服を身に着けていますが、当時、実際にオランダでは、着物を模した「日本の上着」と呼ばれるガウンが知識人や上流階級の間で流行していました。 ところが、風俗画は単なる現実の記録ではなく、異なる時代のモチーフが描かれていたり、より深い意味が込められていることもあります。現実と虚構が入り混じる風俗画には、読み解きの楽しさがあります。