三日月会2016年2月度例会は、グローバルな証券アナリスト資格を持ち,投資教育家である岡本和久に,「金遣いの王道」と銘打って,身近でありながら意外と知られていない「お金」についてのお話を伺いました。59名の方にご参加いただき無事終了いたしました。有難うございました。

【講演の概要】

 日本人はお金に対してあまりいいイメージを持っていません。「お金はきたない」「お金持ちは悪い人」というネガティブなイメージを子供でさえ持っています。メディアによる悪いイメージが植えつけられているのですね。しかし本来、お金は,欲しい物と交換できる価値のあるものです。欲しい物が手に入るとありがたいと思いますし、作ってくれた人や運んでくれた人に感謝をします。感謝の気持ちと一緒にお金は世界を回ります。

 人生を100年として,そのライフステージを三つに分けてみます。30代までは「学びの時代」60代中ごろまでは「働きの時代」そのあとは「遊びの時代」と考えます。「学びの時代」は人的資産の形成,「働きの時代」は金融資産の形成,「遊びの時代」はその人の生きざまを形成する時代と言えるでしょう。

 自分が一番やりたいことをして,それが世の中の役に立つ。若い人から「かっこいいな」と思われるおじいちゃん,おばあちゃんになる。それが「遊びの時代」です。そのためにも人的資産とともに金融資産を蓄えておく必要があるのです。

 さて,子どもたちから聞かれる質問で一番多いのが「楽して儲けることはできるのか?」というものです。答えは「できません」。では,「楽しく儲けることは?」「できます」。楽しく儲けるとは,人の役に立ちながら,また,人に喜んでもらいながら儲けることです。

ここに豚の形の貯金箱があります。ピギーちゃんという名前です。お金を入れる口が四つ開いていて,それぞれ,「SAVE」「SPENDDONATE」「INVEST」と名づけられています。私はこれらを日本語で「ためる」「つかう」「ゆずる」「ふやす」と訳しています。

「ためる」とは,いま、欲しいものを買わないで、我慢することによって,より大きなものを買えるという喜びを得ることです。また。ためたお金を「つかう」は,世の中の役に立っている会社の製品を買うことなどによって,ささやかな社会貢献をしていることになります。「ゆずる」ということは,別の言葉でいえば「寄付する」となりますが,今、自分に必要のないお金を,必要としている人にゆずることです。お金に限らず人が喜ぶことをすることでもいいのです。「一日一善」,この気持ちはまさに「寄付」の精神につながっていきます。

最後の「ふやす」ですが,これは未来の自分のために,すぐに必要のないお金を、今、お金を必要とするひとに使わせてあげることです。その人はそのお金を活用して世の中にためになる事業を行う。しして、みんなから感謝され、感謝のしるしのお金が集まってくる。その一部がずっと将来の自分のもとに戻ってくる。これが「投資」することの本質です。

 この四つを岡本先生は,「ハッピー・マネー®4分法」と呼んで,子供の頃からお金の遣い方を学ぶ習慣をつけるように教唆しています。「今」の自分から「未来」の自分へ,また,「自分」から「世界」へと意識が外に向かって広がっていきます。ピギーちゃんは自然に子どもたちに自分以外の人のことや将来のことを考えるきっかけを与えてくれます。

 「投機」と「投資」の違いは何でしょう。「投機」とは,一口に言えば博打のことでもあり,結果に法則性がなく、結果をコントロールすることもできません。株式を使って短い時間に売買して儲けようとするのは「投機」です。

本当の「投資」は,博打ではありません。それは経済活動に資金を投じることです。株式を買うということは会社のオーナーになることです。時間をかけて企業の成長を見守りながら,自分のお金も育てることです。

「投資」で成功する秘訣はコントロールできることをコントロールすること,すなわち,株式と預金,債券を適切な配分にすること,分散投資によりリスクを削減すること,無駄なコストをかけないということです。コントロールできないことの代表はリターンです。リターンはコントロールできることをコントロールした結果として出てくるものです。しかし、多くの人がコントロールできないリスクを追いかけて失敗をするのです。

 「資産運用」には就業中の一が給料の一部を投資にまわす「資産形成」と,退職した人が保有する資金を使いながら投資する「資産活用」があります。資産運用で大切なポイントは,急がず,欲張らず,争わず,考えすぎず,という四つでこれらはリラックス投資の鍵です。

人生の目的は「お金持ち」になることではありません。「しあわせ持ち」になるために我々は生まれてきて、生きて、死んでいくのです。「しあわせ持ち」になるための6つの富(ふ)は、

ファミリー(家族),フレンド(交友関係),ファン(趣味、楽しみ),フィランソロピー(社会貢献),フィットネス(健康),ファイナンシャル・アセット(金融資産)です。この6つがバランスよく取れていると「しあわせ持ち」になれるということです。

しあわせとは,世の中に笑顔を増やすこと。お金を品格よく遣って,今後の人生をしあわせに生きて行こうではないですか。

【以下三日月会20162月度例会のご案内文】 

2月度の三日月会は「お金」まつわるお話を証券アナリストであり、投資教育家&フィナンシャル・ヒーラーの岡本和久氏にお願いしました。古今東西を問わずお金は身近でありながら、多面的な性質を持っています。人生の世代を通じて学ぶべきお金のこととは何でしょうか。①学びの時代:お金とは何か、仕事とは? ハッピー・マネーの四分法 ②働きの時代:人生を通じての資産運用 ③遊びの時代:幸せ持ちへのロードマップ。私達が改めてお金に対して考えを致す内容がふんだんです。

多数の皆様のご出席を賜わりますようご案内申し上げます。

日  時 : 2016年2月25日(木) 12151330

場  所 : 関西学院同窓会東京支部 ランバスホール

          千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階

       3階サピアタワーオフィスロビー受付前に「三日月会受付」(11301210)を設置 

会  費 : 1500円(軽食は11:45から講演前にお出しいたします。)

スピーカー: 岡本和久氏 I-Oウエルス・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長

       (クラブ・インベストライフ主宰 投資教育家&フィナンシャル・ヒーラー CFA協会認定証券アナリスト)

米国コロンビア大学留学後、1971年慶應義塾大学経済学部卒。日興証券株式会社入社。ニューヨーク現地法人、情報部などで証券アナリスト・ストラジスト業務に従事。1992年同社を退社。バークレイズ・グローバル・インベスター日本法人を設立。2005年まで13年間代表取締役社長として年金運用業務に関わる。同社が年金運用額で業界トップになったのを機に退職。同年個人投資家向け投資セミナーを行うI-Oウエルス・アドバイザーズ株式会社を設立 代表取締役に就任。マンスリーセミナーなど各種セミナーを開催する傍ら、長期投資家仲間によるクラブ・インベストライフを主宰。日本証券投資顧問業協会理事、同協会副会長兼自主規制委員会委員長、投資信託協会理事、CFA協会会長経済同友会会員等公職多数。著書には「瞑想でつかむ投資の正攻法」(総合法令) 「100歳までの長期投資・コア・サテライト戦略のすすめ」(日本経済新聞出版社)「親子で学ぶマネーレッスン」(創成社)「金遣いの王道」(林望氏との共著・日経プレミアシリーズ)等多数。

タイトル  『金遣いの王道』

*申込締切 2月19日(金)(締切厳守)です。人数に制限がございますのでお早めにお申込み下さい。なお、出席される方のみお返事を頂きますようお願いします。

*メールによる申込方法:(2月19日に締め切っております。多数の皆様からのお申し込みありがとうございました。)

 

 同窓会東京支部の kg.tokyo@nifty.comへのメール返信では、申込み受付出来ませんのでご了承ください。

お問合わせ先:

東京支部  TEL 03-5224-6226  FAX 03-5224-6227  E-mail: kg.tokyo@nifty.com

【次回予告】3月23日(水)元タクシードライバー青野輝子氏 仮題「駆け抜けた私の90年」

以上