2月14日(火) ランバスホール 出席8名 欠席投句3名

◎+6 擬餌針のようにめかして逢いに行く(敬三)

○+7 PKO千人針を持たせたい(敬三)

◎+4 剣山に刺されて人を癒す花(純逸)

○+3 大統領磁石の針はどこを向く(純逸)

◎+1 秒針ものんびり回る花時計(敬三)

○+2 針千本飲ませたい人多過ぎる(睦夫)

 〃 採血の針をいやがる右の腕(康弘)

 〃 秒針が遅く感じるサウナ風呂(達夫)

○+1 針供養そんな暮らしのあったころ(淑子)

○  拒みません美顔にしたい顔に針(勝次)

 〃  注射針肝炎広め知らん振り(大輔)

「今月の学習」

1.直接読むと説明っぽくなる。

2.字結びに注意。

 供養などされたことない針の山(惠子)  針が供養ぐらいせよと言っているにしたほうがいい。

   作者は地獄の針の山のつもりでした。

 欲を出し喰いつく先に擬似の針(純逸) 「喰いつく」ではくどい。

   → うまそうな擬餌針につい引っかかり

 取れたボタン付けてもらって恋をする(達夫) 「~好きになる」くらいがよい。

   針がわかりにくいので、題から少し離れている。

 方針を決める会議で疲れ切り(大輔) 内容はよくわかるが、方針は本当の針ではない。

 老眼が通せんぼする針に糸(澄子)  → ~針の穴

 針千本飲ませたい人多過ぎる(睦夫) 具体的に飲ませたい人がわかるとよい。

 針の音聞こえる様な雪の夜(大輔)  比喩よりも→針を落とした音が聞こえる雪の夜

 議員さん針を千本飲んだかな(康弘) 「飲んだかな」では甘い。

   飲んだのに効果が出ないのかどうか、迫力に欠ける。 →~針千本がまだ効かぬ。

 キャリア女性縫い針よりもペンを持ち(澄子) 近頃は女性全体が針を持たなくなった。

 針千本のんでのませた恋の路(惠子) 過去形は報告っぽい。

  → ~のんでのませる恋ごころ  ~のませあってた恋の路

 擬餌針のようにめかして逢いに行く(敬三) 男を釣り上げたい女心を面白く詠んでいる。

 針千本飲まず政治家生き延びる(澄子) 飲んだのに効かないほうが面白い。

 十二歳かぎ針覚え胸はずむ(淑子)  年齢を固定し過ぎ。

   作者の思い入れはわかりますが → かぎ針を覚え少女の胸はずむ

「今月のお手本」  津田 暹先生

 針穴を何度も抜けてきた命

 就活を短針にまで急かされる

 次回 3月14日 「 りんりん 」