川柳サロン4月例会 お題「刻む」+雑詠1句 4月10日(火)ランバスホール  出席6名(投句&選句8名)

津田先生◎or〇  会員よりの得点数 +数字

◎+8    胸の傷隠し通した笑い皺(恵子)「胸の傷」と「笑い皺」の組み合わせがとても良い。

◎+2 里帰り母の包丁リズミカル(勝弘)子供が久しぶりに返って来た母の嬉しさが良く出ている。

〇+3 盛衰を見てた老舗の古時計(純逸)きれいに納まった句。「見てた」は「見ていた」の「い抜き言葉」だが、今は中7ならOKになっている。

〇+3 廃校の机に残る傷の跡(勝弘)まとまった素直な句。「傷の跡」より「傘マーク」が良かったのではという意見も。

〇+2 ちらし寿司錦糸卵が花を添え(勝弘)錦糸卵が刻まれながら色どりを添えている様子が見える。

〇+2 パッと見て証明写真切り刻む(達夫)実感の句。

〇+1 秒針にせかされ若い時は過ぎ(恵子)過ぎて行った青春記になっている。

〇+1 雑煮祝う老いたる母に刻む餅(勝次)「雑煮祝う」では流れが悪いとの意見があったが、津田先生より、主題である「刻む餅」(あるいは「餅刻む」でも良い)を下5に置いた方が良いとのこと。(睦夫さんと達夫が考えた代え句「餅刻み老いたる母に祝い善」)

〇+1 311心に刻む防災日(達夫)「311」より「3・11」の方が分かりやすい。

「今月の学習」

1.春の宵ちびりちびりと江戸切子(敬三)「江戸切子」で刻むは厳しい。「刻む」は動作が付いてくる。→「鉛筆」で「削る」とはならないのと同じ。

2.篆刻も偽物だよと五百円(睦夫) 作者だけでなく篆刻も偽物と言っているのだが、五百円の方が目立ってしまっている。

3.繊切りにならないキャベツ家の味(淑子)面白い句だが、ブツブツ感がある。→繊切りにならぬキャベツも家の味

4.チクタクと古民家らしく時が過ぎ(達夫)「チクタク」ではゆっくり感が出ない。

5.明治から百年刻んで母は逝く(睦夫)中8の句。「百年刻み」にする。

6.傷跡を語れば長い露天風呂(敬三)→大変な秀句だが、「刻む」というお題には遠い句になっている。

7.老いたる脳刻んだ皺が溶けている(勝次)「刻んだ脳」という表現は間違っている。脳の皺は徐々に刻まれるものではない。→老いたる脳皺の刻みが溶けてゆく

8.縦皺に苦しさ滲む答弁者(純逸)「答弁者」では工夫が無い。

9.円空の刻む佛のおおらかさ(淑子)形容詞の「おおらかさ」ではそのままの句になる。ex.美しさ、素晴らしさ、、→円空の刻む佛に癒される

10.百切りとからかう娘は千切りに(淑子)中8の句。「百切り」は面白いが「千切りに」を入れると言い過ぎになってしまう。

11.刻む色が四季の移ろい花時計(勝次)「刻む色」では分かりづらい。

12.数々の違反を刻む免許証(敬三)「免許証」なら3年で消える。「免許歴」に変える。

13.百分の1秒差でも敗けは負け(睦夫)情景だけの句になっている。

「先生の例句」
1.自立出来るようにと言われ葱刻む

2.詰まらないゴルフ刻んでばかりいる

3.終末時計残り僅かへ刻む音

「雑詠」

津田先生〇

〇+2 七十歳コキコキコキと骨祝う(恵子)面白い言葉遊びの句になっている。

〇+2 証人に証言しない人が出る(達夫)

〇+2 幼子の廻らぬ舌が潤滑油(勝弘)何の潤滑油?

添削

余命表眠る時間が惜しくなり(睦夫)→余命表睡眠時間惜しくなり

雪かぶり夏日を浴びて花散らす(純逸)→雪かぶり夏日を浴びて花が散り


次回  お題「満足」5月8日(火)15時からランバスホールにて

川柳に興味をお持ちの方へ

ランバスにお越しください。見学自由、無料。

指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。 東工大s36卒業。市原市在。

現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)。男6名、女性2名。

kg-tokyo.co内の「KG川柳サロン」をご覧ください。毎月の成果が出ています。

お待ちしております。