2018.11.8.

Keep probing medical schools for discrimination

 

今回の、東京医科大学の事件は教育機会の不公平だけではなく、医師として働く女性の現在の深くて広い職場の問題を提起している。

同校の入学試験の不正は数年にわたり女性受験者の合格数を抑制してきたが、これは子供を出産すると早く辞めたり、休暇を長くとるのが一般的な傾向に、その理由があるといわれている。 他の大学においても同じ理由で、この傾向が見られるようである。

 

しかし、このようなことは、医者を目指す女性受験者にとっては、教育の機会を不当にゆがめるものであり、到底受け入れられるものではない。

日本における女性医師の数は全体の21%(2016年)であり、OECDメンバーの中で最低である。 ちなみに、ポーランド55%、ポルトガル49%、U.K41.8%、U.S.A30.8%、OECD平均で41.5%(2010年)である。

 

最近、女性医師の数は、少しずつ増加しているが、勤務医の職場環境は、長時間労働やライフワークバランスの難しさに、向き合っているのが現状である。

これらを改善するには、これまで見過ごしてきた教育、家庭、社会における性別格差(gender gap)の解消と医学部入試制度の見直しが必要である。

特に性別格差は医学界だけの問題ではなく、この指数(2017年)が世界114位の日本の中で日常的に起こっていることを、先ず自覚することから始まるのではないかと思う。

 

医学部の入試制度は公平に公正に、有能で、使命感を持った医学部受験生を採用するために、大きな見直しが必要である。

参考になるのは、米国のMCAT(Medical College Admission Test)である。 医学部は職業訓練校として位置づけられ、受験生は4年制大学を卒業してからMCATを受験し、合格してから希望の医学部を受験する。 受験生は経済学部や文学部、工学部などの卒業生なのでその経歴を生かし、研修過程で自分に向かないと判断した段階で、次の新しい仕事に挑戦することもできる。

 

今回の事件を契機に、性別格差の解消と入試制度の質的レベルを高めるため、これまで良しとされてきた日本の文化や慣習、制度などを見直す端緒になればと期待している。

 

                                    藤本