川柳サロン8月例会  お題「帰る」+雑詠1句

8月13日(火) 貸会議室プラザ八重洲北口301号室 出席8名 、終了後近くの「虎連坊」で暑気払いを開催しました。

津田先生◎or〇  会員よりの得点数 +数字

◎+3  愛犬はハウスするのにダメ息子(純逸)皮肉が効いていて面白い句。

◎+1  残業で定時に帰る策を練る 純逸) 皮肉が効いた川柳的な句になっている。

〇+8  リュウグウの小石の土産待ちわびる(敬三)(今回の最高点) 「帰る」を使わず良い句になっている。「 小石の土産」という表現が素晴らしい。

〇+2  もう帰るこれから帰る今日泊まり(純逸) 時の流れが上手く詠まれている。「泊まる」ではなく「泊まり」とすることで結果になっている。

〇+1  にっこりと帰国ゲートをシンデレラ(敬三)タイミングの良い句。

〇+1  帰国子女希少価値なく職探し(恵子)実態をよく表しているが、説明的になっている。「価値なく」ではなく「価値減り」→帰国子女希少価値減り職探す

〇+0  鬼灯のあかりたよりに子が帰る(淑子)  誰も意味が分からなかった。本人の弁:主に関東では、お盆の時の鬼灯は亡くなった人にとってのあかり(道しるべ)で、幼くして亡くなった子供も、お盆にはそのあかりを頼りに帰って来るだろうということを詠んだ。

〇+0 不死鳥を見事に見せた歌手ひばり(達夫) 内容が古いが、津田先生に、美空ひばりに強い印象が有り〇となった。

「今月の学習」

1. 墓参りホテルに泊まる里帰り(達夫) 「墓参り」と「里帰り」は意味が近く、ダブっており、字数がもったいない。→ 親逝ってホテルに泊まる墓参り  

2. 帰りにはみんな爆睡バス旅行(敬三)  その通りの句。→ガイドまで眠る帰りのバスツアー

3. 帰れない故郷を思うホームレス(恵子)  表面上の同情論になる。青テントや白杖の人のことは、本人しか本当の気持ちは分からないので気を付ける。

4. 孫帰り蝉音だけが響いてる(勝次)  「蝉音」には無理がある。→孫帰り蝉の鳴き声だけ響き

5. 東京砂漠帰る故郷友がいる(勝次)  ブツブツ感がある。「帰る」は要らない。→東京は砂漠帰れば友がいる

6. 帰省中自動運転まかせたい(睦夫)  「中」は要らない。→盆帰省自動運転まかせたい

7. 里帰り戻りの荷物重いこと(恵子)  「重いこと」は良くない。→里帰り母の持たせる荷の重さ

8. 通夜の帰りあの人語る縄のれん(勝次)  「通夜の」の「の」は要らない。「あの人」、、代名詞は使い方が難しいので出来るだけ避けること。通夜帰り人柄語る縄のれん

9. 親が逝き足が遠のく里帰り(勝弘)  その通りの句になっている。

10. 参道で帰りのだんご味見する(睦夫)  「帰りのだんご」では往きに寄ったのか、帰りに寄ったのか分かりづらい。→参道のだんご帰りに味見する

11. 甲子園地元沸かせる優勝旗(達夫) お題の「帰る」が分かりづらい。甲子園ネタは沢山有り、よほどの句でないと難しい。本人の弁:「凱旋」を使いたかったが上手くいかなかった。→凱旋で地元沸かせる甲子園

12. さあ帰ろ女はどこを目指すのか(淑子)  情景が全く分からない。本人の弁:「女三界に家無し」から発想した句。

13.  捨てられて持ち金尽きた父帰る(淑子)  状況が不明。本人の弁:菊池寛「父帰る」より、持ち金が尽いて、情婦に捨てられ、落ちぶれて家に帰ってきた父のこと。

14.  ぶぶ漬けを待っていたのでお茶冷める(睦夫) 「京のぶぶ漬け」のことだが、「待っていたので」では意味が通じない →ぶぶ漬けを本気で待ってお茶冷める

15. 帰ります年の制限いくつまで(淑子) 本当の内容が分かる人がいなかった。本人の弁:嫁に行った女性が、夫婦喧嘩をして「実家へ帰ります」と言うのはいくつまで許されるのかということ。ある人いわく「親が生きている間は許される」   津田先生:面白い内容だが、分かりづらい。

16.クラス会旧姓呼ばれ蘇る(勝弘) よくある句。「呼ばれ」は要らない。→旧姓へ子供に帰るクラス会

「津田先生の例句」
1.鍵っ子の気分妻より先帰宅

2.帰巣性誇示する折を提げている


「雑詠」

津田先生◎or〇

◎+4 年寄りは暑さ寒さも担架まで(勝弘)(今回の最高点)面白い。「年寄りには」とした方がより良い。

◎+2 セブンペイ対応策はキャッシュです(達夫)「キャッシュです」が「キャッシュレス」に通じる。面白い。

〇+0 抽選をして観ることに異議がある(純逸) 本人の弁:オリンピックは「参加することに意義がある」、今度のオリンピックの抽選というやり方には異議がある。

〇+0 温暖化ワインも米も地元産(淑子)温暖化で、今まで寒くて作れなかった米が、北海道でも作れるようになった。温暖化を面白く詠んでいる。

添削

   自然体の渋野スマイルあの偉業(勝次)  「あの」、、代名詞を使うと散漫になる。自然体、スマイル、偉業のどれを強調したいのかが分からない句になっている。

 次回  お題「うきうき」3句+雑詠1句

9月10日(火)14時45分から16時45分。場所は 銀座オフィス

入会者募集中!  毎月第2火曜日14時45分から17時00分 銀座オフィスにて

川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。希望者は世話役の石田までお問い合わせください。

指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。

現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)(090-3357-4101)

メンバー 男6名、女性2名。