川柳サロン1月例会  お題「草」+雑詠1句

1月14日(火) 銀座オフィス  出席7名  投句8名 (2名欠席)

年度賞発表 

正賞 追い越したもみじマークが追ってくる(睦夫)

準賞 喧嘩後の妻に教えるノーサイド(敬三)

津田先生◎or〇  会員よりの得点数 +数字

◎+5  GPS道草させぬ塾通い(建夫)(今回の最高点)今の時代と、ゴーン氏逃亡の話題もあり、GPSを使ったタイミングの良い句になっている。

◎+4  草むらに子らの遊びの夢の跡( 惠子)  「夏草や兵どもの夢の跡」を引用して上手くまとめている。*引用とパロディは違う。パロディは滑稽化したもの。

〇+4  寅さんの笑顔が浮かぶ草団子(敬三)「草団子」が良い。リズムが良く、素直な感じの良い句。

〇+4  踏まれてもなお幸せを呼ぶ四葉(純逸)「 四葉」は「よつば」と読めない。「四つ葉」とすること。人間にも例えられる味わいのある句。

〇+2  老いてなお雑草のごと生きている(敬三) 素直な良い句。

〇+1  母の庭守って父の草むしり(惠子)今までやれなかったことをしているという情景が良い。情感が有り、深みのある句。

〇+1  イチローもやっとおっさん草野球(建夫)   「やっと」が良い。イチローの最近の様子を上手に捉えている。

〇+1  虐待の芝生にぽつん三輪車(勝弘)

「今月の学習」

1.  草の根で砂漠がいつか草原に(達夫)中村哲氏のことなら「草の根」の活動とは言えない。

2.  草枯れる様な孤独の喜寿の坂(勝次)「草枯れる様な」だと「孤独」にしか掛からない。「草枯れるように」とすると下全体に掛かり、本人が意図した句意になる。

3.  親不孝墓参りせず除草剤(勝弘)「親不孝」はきつい言葉なので、親不孝を言わずに親不孝を表現する。→除草剤撒いて行かない墓参り  

4.  痴漢して草食系のうわさ消え(達夫)  「痴漢」は川柳として違和感のある言葉。→セクハラで草食系のうわさ消え

5.  七草でないが腐らず生い茂る(純逸)「 七くさ」と「くさらず」を掛けているが、誰も気付かなかった。

6.  荒れた芝人工ものが手招きす(淑子)   「す」止めは「し」止めと同類の文語体で、出来るだけ避けること。「人工もの」は、「芝」が重なっても「人工芝」の方が分かりやすくて良い。

7.  アフガンで草の根支援天召され(勝次)  「草の根支援」で7音使っているが、中村哲氏の活動の本質を突いていない。→(参考句)恩人を撃てとアラーは申せしか

8.  草を抜くご馳走を待つ鳥横に(淑子) 横で待つ鳥となると飼っている鶏か?鶏なら餌があるので草は要らないが。本人の弁:鳥はキビタキのこと。毎年、雑草を抜いていると、そこから出てくる虫がいることを学習したキビタキがそばにやって来て待っているとのこと。

9.  草野球相手イチロー打つ手なし(達夫)  語順が悪いので、イチローが相手なのか、イチローが打つ手なしなのかわかりづらい。→草野球イチロー相手打つ手なし

10・ 草に名を教え教わり散歩道(敬三)  草の名を聞く人はあまりいない。花とか木の実とかになる。

11. 雑草と呼ばれ名が無きゃ新品種(勝弘)理屈になっている。→雑草と呼ぶが名が無きゃ新品種

12. 藺草香る新築我が家大の字に(勝次) ブツブツ感がある。「新築我が家」で7字使っているが、「新居」の3字で足りる。

13. 草餅の蓬摘む場所見当たらず(惠子)  →摘む場所が消えて草餅作れない

14. 前略で草原描きハガキ書く(純逸) 前略草々のこと。誰も理解できなかった。

「津田先生の例句」
   1. 雑草も主役我が家のビオトープ

   2. れんげ菜の花休耕田を春にする

   3. 這い上がる勇気を呉れる壁の蔦

「雑詠」

津田先生◎or〇

〇+4 コンビニは働き方は売りにせず(純逸)(今回の最高点

〇+1 抽選にはずれ五輪の夢が覚め(敬三) 気持ちが良く分かる。

〇+2 いつからか林鄭月娥スラスラと(建夫) 皮肉もあって面白い。「林鄭月娥」にルビを打つ必要はない(ルビは原則禁止)、ルビを付けないで全部ひらがなにする手もある。

添削

  1 新年に築地の鼠今どこに(勝弘)  「に」の重なりが気になる。

  2 ブティックで年相応はどこへやら(淑子)→ブティックで年相応を気にもせず

  3 三百万掛けて挑んだIR(達夫)   「掛けて」を「賭けて」にすればもっと分かりやすい。

   4.寝耳に水のゴーンで騒ぐ年初め(勝次)参考→百七で終わる今年の除夜の鐘、、百八つ目はゴーン氏。

 次回  お題「ひらひら」

令和2年2月11日(火)14時45分から16時45分。祝日ですので場所は八重洲の貸会議室になります。

例会は毎月第2火曜日14時45分から16時45分です。


入会者募集中!

川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。希望者は世話役の石田までお問い合わせください。

指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。

現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)(090-3357-4101)

メンバー 男6名(7人)、女性2名。