川柳サロン 12月例会  お題「面白い」+雑詠1句

12月8日(火)東京オフィス 出席5名、欠席投句3名

津田先生◎or〇  会員よりの得点数 +数字  コメントは津田先生のオンラインでのコメントです。

◎+8  面白い逸話花咲く通夜の酒  ( 勝 次)(今回最高点)、、しんみりが多い中、こうしたお通夜は故人も遺族も本望であろう。個人の人柄が偲ばれる。

〇+4  面白い教師の教科好きになり 敬 三)、、、中学、高校では教科の好みがハッキリしてくるが、こうした切っ掛けもありうる。

〇+4  名人芸分かった落ちに又笑う ( 勝 弘 )、、、確かに何度聞いても面白い。「分かった」は「知ってた」「知ってる」でも。

+ トランプのゲームまだまだ終わらない (勝 弘)、、、 トランプにゲームを掛けて上手く詠んでいる。今は終わり掛かってはいるが。

+1 目標頓挫今年も笑う大晦日 (勝 次)、、吉川雉子郎の「貧しさもあまりの果は笑ひ合ひ」と同種の笑いで、いわゆるお笑いと違う笑いで結構。

+ 面白く憂い伝える道化者 ( 惠 子)、、、 愁いを面白そうに伝えるという言い方がよい。「哀しみを面白そうにピエロ見せ」でも。

〇+1 未だ出ずやすきよ超える漫才師 ( 達 夫)、、、まさにそう思う。特に五十一歳で亡くなったやすしが悔やまれる。きよしが漫才初の文化功労賞に。

〇+0 ギャグ受けず繰り返すのが面白い (純 逸)、、、ギャグは詰まらないが焦ってる様が面白い。説明調を避け「繰り返すのが面白い受けぬギャグ」。

〇+0 昇進し更に仕事にのめり込む (達 夫)、、、企業戦士の見本、上司はにんまり。「し」の報告調を避け「昇進後更に仕事にのめり込む」。

〇+0 大阪はおもろい奴がモテる街 (敬 三)、、、漫才などを見ているとそう思える。東京だとユーモアのある奴なのかも。

〇+0 ノンフィクション嘘がないから面白い ( 勝 次)、、、  落語が面白いのとは違い興味深いという面白さであろう。史実や記録に基づいているので安心できる。

「今月の学習」

1.大阪は話三割盛っていう ( 淑 子) 、、、 大袈裟に言うということか。面白い話に限ってそうなのか、そのことが面白いのか。

2.小学校ひょうきんな子が人気者  淑 子)、、、確かにそうだった。小学校の出だしが硬いので「ひょうきんな子がクラス一人気者」。

3.幼子の廻らぬ舌が潤滑油 ( 勝 弘 )、、、「回らぬ舌が潤滑油」が分かり難く面白みも感じない。「幼子は回らぬ舌でよく笑い」なのかも。  編集注:本人の弁:幼子が回らない舌で話す様子が回りを和ませる潤滑油になっている。「回らぬ」に「潤滑油」が掛かっている。

4.面白くやがて不安な投句あと (惠 子)、、、着想はよいが惜しい。とことんパロディー化して「面白うてやがて不安な投句かな」。

5.不自由だねおもしろ話目で笑う ( たけお )、、背景としてマスクをしているからであろう。背景をハッキリさせて「面白い話を目で笑うマスク」。

6.きみまろの毒舌なぜか憎めない (敬 三 )、、、分かる気はするが「なぜか」が気になる。ハッキリと「毒舌もきみまろだから許される」。

7.面白い話聞かせる相手なし 惠 子)、、、「面白い」でしんみりした内容に惹かれるが、下五の言い切りが気になる。「人も無し」「「人いずこ」。

 8.言えるかなあおもしろおかし4年前 (たけお)、、、 可笑しを掛けたおもしろお菓子は多々あるが、4年前とは。来年に成ったら句はどうなるのか。編集注:本人の弁:これはトランプ大統領のことを詠んだ句。4年後にトランプがまた大統領選挙に出たら ということ。

9.   土曜昼よしもとを見る大阪人(淑 子)、、関西テレビの吉本新喜劇。東日本では無縁。下六、苦しいが「…西の人」に。「見」は「観」が合う。

10.半沢直樹期待持たせる次週回 (達 夫)、、、七年振りに続編十話。まさにそうだが上七が重く下五がぎこちない。「次週にも期待抱かす倍返し」。

11・いたずらに白粉塗った稚児の顔( 純 逸 )、、、 面白顔になったのであろうが報告調。稚児も替えて「白粉を児がいたずらに塗りたくり」。

12.ズーム会下パジャマ見せみな笑う (たけお)、、、 情況は分かるが「下パジャマ」が苦しい。笑うまで詠まず「ズーム会パジャマのままの下が見え」。

13.倍返し放送局にも恩返し ( 純 逸 )、、、最終回の台詞は「感謝と恩返し」。よく分かって結構なのに何と中八。「テレビ局」にすればよい。


「雑詠」

津田先生◎or〇

◎+3 ジャンボくじ億の細道長い列  (たけお))(今回最高点)、、、籤の句は既成感が多いが、人気売り場の光景を「奥」と「億」を掛けて上手く詠んでいる。

◎+1 総合的に俯瞰的にも妻が上 (純 逸)、、、菅総理の決まり文句の流行語を上手く用いている。我が家もそう。

◎+0 五つの小こんな飲み会お通夜です ( 勝 次)、、、小人数・小一時間・小声・小皿・小まめな換気消毒とおよそ飲み会には合わない。お通夜が秀逸。

〇+1 郵便が大統領のポスト決め (達 夫)、、、擬人化の着想がよい。ポストまで詠まずに「郵便に大統領を決められる」。編集注:本人の弁:「郵便」と「ポスト」を掛けた。

添削

1.歳老いて何を急ぐか前のめり (勝 弘)、、、想いは分かるが「何を急ぐ」と「前のめり」が似た表現。「年老いてからでは遅い前のめり」。編集注:本人の弁:「前のめり」に行動と姿勢を掛けている。

2.約束はコロナでみんな先送り (惠 子)、、、確かにそうだがその通りの感じ。遊び心で「約束をコロナコロコロ先送り」。

 3.喉を診てオエッと言わせ風邪ですね (敬 三)、、、陽性でなくてよかったが、検査をしなかったのは熱が無かったからなのか気にはなる。

4.キョウイクやキョウヨウない日ほっとする (淑 子)、、、教育・今日行く 教養・今日用 とカルチャーとコロナ自粛に掛け面白いが、やや言葉遊びが強い。

次回  お題「夢」

令和3年1月12日(火)銀座オフィス 現在例会は毎月第2火曜日14時から16時です。

入会者募集中!

川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。

ご見学・ご入会等のお問い合わせは、同窓会東京支部( kg_tokyo_soumu@yahoo.co.jp )にお問い合わせください。

指導は著名な津田暹(すすむ)先生。全日本川柳協会元理事、雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。

現在世話役   石田達夫(s45)

メンバー 男7名、女性2名