11月20日夜、46年会で13名が参加してZOOM交流会を開催しました。

今月はゲストで同窓会OBの古橋和好さんに参加いただき、お話いただきましたので、その模様を概略いたします。

1.参加者のお一人天野さんから古橋氏を紹介

古橋さんは、経済学部の1年先輩で、社会人として同じ太陽銀行出身となり、40年近くのお付き合いをさせて頂いています。太陽銀行は東京の企業で関西に支店が2店舗しかなく、また、都市銀行になって日が浅く、他の都市銀行に比べて同窓生が極端に少ない銀行でした。。40〜48年の間に関学卒業生は約 20人しか在籍しませんでした。太陽銀行は、48年に神戸銀行、その後三井銀行、さらに住友銀行と合併しました。現在は三井住友銀行となり、関学生が一大勢力となっています。古橋さんは、1番小さい銀行に入り、合併を繰り返した激動の銀行員生活の中でサラリーマンとしても実績を残しつつ、常に勉学の姿勢を崩さず頑張って来られました。継続した勉学から、生き様の一つに経済学は人間学だと唱えてこられました。その姿勢と考え方に以前から共鳴し、今回の46年会zoomに講話をお願いしました。

 

2.古橋氏の講演

本日は、生まれ育った環境、これまでの経験、知識、交流を軸に「関学への道、学んだ事、後世に伝えたい事」をお伝えしたい
終戦後20年11月、人口3000人ほどの長野と岐阜の県堺、愛知県北設楽郡稲武町(現在の豊田市)の山村生まれ、地元の小、中学(2クラス69名)に通う。卒業生の多くは紡績会社に就職、生計を立てる村。以前安倍首相が国会で地方創生をテーマに古橋家の第5代当主古橋源六郎に触れ「氏は『私を天は何故すり鉢のような山の中に生まれさせたか』と嘆いたが、その後、自然の素晴らしさと生きる知恵に気づき、村おこしを始め、林業、蚕産、畜産、教育で村の再生を図った」と述べた。 特に教育事業は財団を立ち上げ名古屋、東京に無償の学生会館を作り、奨学金制度も充実させた。生まれ故郷では自然の大切さとその付き合い方、知恵を出すことの大切さを知る。高校は財団法人古橋会の運営する義真会館という学生寮に入り、地元出身の名大、名工大等の大学生、高校生15名と共同生活をする。 食事は当番制で順番が来ると15名の食事を作る。 高校時代の寮生活では自立心、自主、自治、政治の関わり等大学生から多くを学ぶ。 また食べることの大変さを痛感。古橋家系は旧帝大出身者が多く、教育も帝大入学が普通のような感覚の教育事業であった。その感覚に従い旧帝大を受験するも3回とも成らず、高校時代の先生に3浪しないために関学を勧められ、数学が必須科目であったので失意の中でも入学したら勉学に熱心な学生が多いと感じ、根底が変わる。

関学では、基礎ゼミでシュバイツァーで人間論、キリスト教概論で宗教について考える力を養い以降の力になった。ゼミは豊倉三七雄先生の経済変動論を学ぶ。学部内の経済学会で院生と知り合い、研究会に参加、インターブロック、関西ブロックゼミナールで阪大、市大、京大らの学生と交流した。アダムスミス、マルクス、ケインズを中心に議論した。3年の時、学生運動が激しくなり、校内に場所がなく、上ヶ原六番町の風呂屋や中山寺で研究会を開くこともあった。関学時代深く研究したのは「アダムスミス、マルクス、ルソー、ヒックス、ケインズ、サミュエルソン、内田義彦、大塚久雄、杉原四郎、森嶋通夫」

点訳サークル活動の中で「目の見えないことの真実」を学ぶ 奉仕は人の為だけではなく自分の為ということに気づかされる。点字図書館施設を開設した本間一夫氏や日本ライトハウスの岩橋武夫氏はともに関学の出身者で身体的ハンディキャップを負う社会的弱者に対する関学の方針は先を秀でていた。経済学は社会学、人間学の一部で「経国済民」の基本ということを学び、今以て関学での学びが生きている。

就職活動は大学紛争の関係で就職課はロックアウト、自身でリクルート本から探す。
当日は売り手市場で、本家筋の影響で東京に出たいと思っていたところ、太陽銀行の大阪支店の説明会の案内があり、関学から40名が参加、その場で試験され、下宿に戻れば、2次試験受験の要請があり、即座に入社内定。当時の内定は断らないという風潮に従い、就職した。その後、神戸銀行と合併。太陽銀行は「頑張らないと本店に飛ばす」、神戸銀行は「頑張らないと支店にに飛ばす」と言われ銀行の歴史、体質により同じ都市銀行でも文化が違うと強く感じた。太陽銀行は総じて顧客中心で活力があり、先見性があったように思う。

銀行は大蔵省の検査で金融機能が保たれ、規制でがんじがらめの管理体制にあり、人事も異動がないと問合せが来る大蔵省絶対体制、ほとんどが利鞘で成り立っていた時代。どこの金融機関も同じラインナップ、違いは、国際業務が出来るかどうか位の違い。自由化には程遠い時代を経験。審査・営業・海外ファイナンスを中心に本部、名古屋、大阪、神戸に13回の転勤生活を過ごし、28年勤務。バブル期で天井なしの投融資。その中にあって、融資を断って感謝されるなど、自分の道徳感の存在にホッとする。金融の倫理観と「お金の本質」を痛切に感じた。53歳が準定年で、3大イベント会社の(株)ムラヤマに転職し、感動空間を企画、デザイン、制作する企業の経営企画を中心に22年勤務。120年続く老舗。日露戦争時凱旋門製作、皇室の諸行事、政府関連行事、見本市、モーターショウ、USJ、オリンピックなどの感動空間創造、イベントを行う企業。村山家創業で3分の1がクリエーター、銀行からは別世界で、上司に挨拶も交わさないが、デザイン企画、図面を描かせたら日本一というような社員多数。

上場を画した時に、同族争いが起こり企業文化がギクシャクし、社風へ悪影響が懸念された。創業から100年を前にこれからの100年をテーマに提案を行い、理念の統一、会社存在の意義を考え、波風を立てずに変革を目指すも、創業家一族の意識が薄まり、目線を合わそうとしない役員数人には去ってもらうことも経験。

その間、感動創造研究所を立ち上げ、金沢工業大学感動デザイン工学研究所と連携、その他、経済同友会、日本コンベンション協会、東京キワニスクラブ(世界3大ボランティア団体)、日本外国特派員協会、言論NPO、ディレクトフォース、フォーカスワンで委員、アドバイザー、コンサル、研究活動を経験、多種多様の知識と経験と知己を得て大いなる交流を図った。経済同友会では、震災復興,社会起業、観光立国、サービス産業活性化、学校と経営者各委員会委員を経験 特に社会起業委員会では副委員長としてハーバード大学、オックスフォード大学で世界の人たちと社会的課題、特に教育格差、人権、自然・環境破壊等の発生要素、解決の為の議論をした経験が生きた。社会的課題を米はビジネス、欧州はコミニティーで解決を計るが、さて日本はどうか。

経済同友会活動は政策提言が主な目的であるが、実行動も大事ということで出張授業を行った。中学や高校を約200校を訪問。足立区の中学の中には4割が生活困窮家庭もあり、シングルマザー多く、東南アジアからの出稼ぎ家庭なども多いことを知る ある中学で女子中学生に将来の夢を聞いたら、「家庭の主婦になる事」と返って来て、家庭と教育環境の格差を見た。また、訪問する学校の校長の挨拶の仕方・内容でその学校の教育レベルの差を感じることも多かった。

ブータンに行く機会があり、首相官邸に招かれ幸福談義をした。ブータンの憲法に4つの柱が規定されている。  経済、自然、文化、良き統治。国つくりの基本になっている。

憲法がもつ国民共有の理念とその実際の浸透の大切さを痛感した。

実姉を亡くし、ほぼ同じころ親しくしていた関学49年卒で同じ銀行に勤めていた後輩が急になくなり、悲しみのあまり天空と会話がしたくて出羽三山神社で1週間の山伏修行をした。着た切りで食事も毎食ご飯一杯とみそ汁、少し沢庵のみ。聞こえていたものが聞こえなくなり、聞こえなかったものが聞こえてきて、見えていたものが見えなくなり、見えないものが見えてくる不思議で厳しくも貴重な体験をした。

シルクロードを8年かけて訪ねた。法隆寺から長安・敦煌・新疆ウイグル・ウズベキスタン・トルコ・ブルガア・マケドニア・アルバニア・イタリア。最後はローマでマルクス・アウレリウス像に出会った。2000年前の自省録が今に脈々と通じている。テーマは、宗教・民族・国家。

関学の125周年の記念行事で2014年にランバスの足跡を訪ねアメリカ、ブラジル、中国を訪問。宗教と人間愛の力の広がりを感じた。

125周年記念式典をムラヤマが企画制作、演出をし中央講堂で厳かにも盛大に開催した。この現場に立ち会えたのも関学入学以来からの奇しき因縁を感じる。

同窓会東京支部での三日月会は3年間携わった交友のある多様な人たち中心に各種講演をいただいた。

今、宇沢弘文学術論、岩井克人金融論、加藤周一文明論考、河合隼雄文化論考を中心に思考を深めている。資本主義と民主主義の有り様が気になっている。

これまでに体験し、自然や人とのふれあいの中で感じた事柄を自省的に振り返り、未来に羽ばたく若者に役立つ事を願い「人間存在のより良きあり様」を模索して行動を通して未来を展望し次の世代に託したい。

現在は、ウェルビューイングで、人間存在のより良きあり様、より良き生き方を伝えることに携わる.

その設立趣旨はポールゴーギャンが言う「人間はどこから来てどこへ行くのか、我々は何者なのか」を研究する こと。

その活動手法は研究会、講演会、出張授業、SNSによる発信、私塾、コミニティー広場、ワークショップであり、活動分野は、教育(出張授業、私塾、学習機会)、行政機関(地方創生)、自然再生、伝統技術・文化の継承、東南アジアとの交流、ベンチャー、アントレプレナー支援・コンサルタント、アドバイザー、プロファイラー、プロデューサー。

当面の活動は出張授業、各種学校との連携、神社、寺、ユニークベニューの活用、コミニティー広場として、読書会、講和会、ワークショップ、各種組織(NPO、社団法人等)への参画、連携、ネットワーク構築、情報発信など。

また、NECOの会やリベラルアーツ推進委員会への参画も行なっている。

「何故関学に入り、何を学んだか、それを基軸に後に続く人たちに何を伝えるか」をテーマに話を進めてきたが、今大切と思うことは「現実を直視して自分で考え、行動する、特に大事なことは自分なりの哲学を持って思考、 行動する」だと思う 

関学スクールモットー「Mastery For Service (奉仕への練達)」は名実ともに私の哲学の柱になっている

3. 続いて質疑を行い、参加者からウェルビーイング研究所のHPにある研究内容に、お金の意味の項目があるがどういう内容かとの質問に答えていただきました。東大岩井先生の金融論では、貨幣は幻想と唱える。貨幣は価値基準の柱ではあるが、価値には多様性があり、貨幣の多寡によって価値は大きく揺れるとの説明を受け、改めてお金の怖さを認識した質問者からの返答。     


最後に、今回の交流会もおよそ2時間を経て、最後に講師への感謝を申し上げ、次回は12月11日(土)に開催する旨をお伝えして閉会しました。

                                         以上

                            (文責) 46年会 事務局 森本廸和

 

                                     以上