2021年12月吉日
各位

                          関西学院同窓会東京支部                                   事務局

先日開催されました東日本支部長会主催第2回講演の報告書をお届けいたします。

第2回 東日本支部長会主催講演会 報告

■日 時:2021年11月21日(日)13時30分~15時
■場 所:ZOOMリモート
■参加者:57名(申込69名※)
 ※1943年~2005年卒、OB55名・OG14名
  支部別:北海道1、東北0、群馬1、栃木県2、茨城3、東京35、神奈川22、新潟県0、
  長野県1、静岡0、浜松2、富士山0、講師友人1,女子会関連1
■講 師:島下文子(1970、商学部卒、神奈川支部)
■テーマ:
「女性の眼で見たシルクロード~西安からローマまで、そして奈良。7年間の風の旅」
■内 容:
開場:13時15分~
    入室担当;井村正和(神奈川支部事務局長)  
    BGMのウズベキスタンの民族音楽が入室者を歓迎。
開会:13時30分~ 司会/進行;水野裕子(神奈川支部幹事)
開会の挨拶:高木紀世子(東日本支部長会座長、前神奈川支部長)
多くの支部の参加により交流が図れることを望む。何度聞いても楽しい話なので、楽しんでください。

講演:13時30分~14時35分   PWT操作:田中みどり(茨城支部副支部長)

講演者プロフィール
事前送付参照

プロローグ~旅の始まり
父親の影響で学生時代からシルクロードに興味があり、映画「敦煌」を観て、一層行ってみたいという気持ちが強くなった。母親の22年に渡る介護を終えた時に偶然誘われ、関学同級生、男性5人に紅一点で加わって、7年に渡る旅がスタートした。

全行程
2011年3月、ベトナム、カンボジアから始まり、中国(西安(長安)、敦煌)、ウズベキスタン、ローマ、最後に2019年の奈良に辿り着く。

★ここまでは司会進行役が代読紹介。「日本製トイレットペーパー」の画面から講師登壇。
1)日本製トイレットペーパー
大学時代、女子の少ない商学部にはトイレが無く、トイレ難民だった。イタリア以外、この旅でもトイレには苦労の連続。手に入らないトイレットペーパーは必需品。

2)ベトナム、カンボジア(海のシルクロード) 2011年3月
ベトナムはフランス領だったので、ワインが美味しく、瓶が床にたくさん転がる位飲んだ。ベトナム戦争で有名な「クチトンネル」(全長200km)はとても小さい穴だった。
カンボジアを訪れたのは3月8日。世界女性の日(IWD、国際女性デー)で祝日。日本のジェンダーギャップ2021年は120位、IWDは祭日ではない。アンコールワットに江戸時代、日本人が訪れ落書きを残しているのも繋がりを感じた。どこの東南アジアもそうだが、カンボジアの女性も働き者だ。

3)中国、西安(長安)~香港経由、敦煌4泊(陸のシルクロード) 2012年5月
唐の都、東西文明交流の坩堝と言われる西安はスモッグが酷かった。敦煌は、シルクロードに残る仏教芸術の聖地である莫高窟。鳴沙山東麓に700と言われる石窟がある。ラクダに乗り、月の砂漠を味わった。砂をこっそり持ち帰り記念の砂時計を作ってもらった。屋台の食事も楽しんだが、ロバの肉は硬かった。

4)ウズベキスタン 2014年6月(★本講演のメイン)東西文明の交差点
1991年に旧ソ連から独立した多民族国家。首都はタシケントで、宗教はイスラム教スンニ派。この国では、豚肉も、お酒も、女性の服装も寛大だと感じた。

① タシケント
タシケントには、米国風スーパーマーケットがある。シベリアから移送された日本人抑留者87名の墓地があり、日本からお線香を持って行きお墓参りをした。タシケントには13か所、国全体では800人以上が葬られている。日本人捕虜が建築したオペラ劇場は、大地震で壊れず避難場所になったことは有名だ。そのおかげで、今も日本人の評価が高い。世界で一番美しいロシアが作った地下鉄には日本製電車が走っている。

② サマルカンド(2001年ユネスコ世界遺産に登録);スペイン製高速列車で
13世紀にモンゴル軍により廃墟化したサマルカンドを14世紀に英雄ティムールが甦えらせた。青(サマルカンドブルー)の都と言われる。お祈りの仕方が変わっていて、手のひらを上に向ける。人懐っこい親しみ易い人たちで、ダンス好き。ガイドは筑波大学卒、筑波大学タシケントオフィスに所属する女性。サマルカンドワインは甘口。コニャックやボルシチスープはロシアの影響なのか美味しかった。唐から紙すき技術が伝わり製紙工場がある。サマルカンドペーパーと呼ばれ、1990年頃まで製造されていた。4代目君主のウルグベグは天文学でも功績を残している。歴代国王が建立したメドレセ(神学校)がとりまく、レギスタン広場も有名だ。なぜか、すごくもてた」。2021年に起きたキルギス日本人鉱山技師誘拐事件で、当時の中山恭子大使が勇敢に人質解放に尽力した為だろう。

③ブハラ(1993年ユネスコ世界遺産に登録、サンスクリット語で草原)宗教都市
砂漠地帯で素敵なモスクと中央アジア最古のイスラム建築とされる霊廟があり、多くの巡礼者が訪れる。ブハラパンツ事件→隊長がゴミ箱に捨てた下着パンツを、洗濯しアイロンかけて渡してくれたメイドから、物を大切にせよという教訓を得るが、本人は高いクリーニング代とチップで悔しい思いをした。女性の衣装がカラフルで美しかった。

④ヒヴァ(1990年ユネスコ世界遺産に登録);悪路、トイレ無し、過酷、自動車で8時間
同様に聖都であるヒヴァまでアムダリア川に沿って下った。疲れ切った我々は、道端で売っていたスイカのみずみずしさに救われた。過酷な自然環境で遭遇した羊飼い、聖書の世界、ヒヴァに到着。ここは、古代オリエントの町、シルクロードが出来る前から東西交易の中心。外敵から守るための城壁で外側と内側の2つの町に分かれる。高い塔ミナレット(イスラム教の宗教施設に付随する塔で、礼拝を呼びかけるアザーンが流れる)があり、アラビアンナイトの街。木工細工でも有名。顔立ちがモンゴル系から中近東系に変わっていくのが分かった。

⑤再びタシケント;飛行機で1時間
タシケントに戻ったところで、ガイドさんの家に招待された。絶対に断らないのが、タシケントの習慣だという。女性は握手はしない(イスラム教)。彼女の家は平均的な家庭のようだが、日本より部屋は広い。アメリカナイズされたキッチンのあるアパートで、ゆったり生活している印象。食事は米食で、「男性が作るピラフ」が美味しかった。

⑤購入した工芸品
●スザニ(シルク糸で刺繍の施されたシルク布):娘が誕生した時に母親が作るタペストリー(ベットカバーサイズ)で、お嫁入の際に持たせる。夫々の模様に意味がある。
●コウノトリをモチーフにしたハサミ:ブハラ産。モチーフは昔ミナレットの上にコウノトリが巣を作っていたことによる。いまだに切れ味が良い。
●木工細工チェス:チェスが有名

ウズベキスタンは素晴らしい国。もう一度、行きたい。

エピローグ
2018年にイタリアに行った。南イタリアのブリンディシ(アッピア街道の終点)からローマまで、10日間の旅で車を利用しながら石畳を歩いた。過酷なシルクロードの旅を経験し、昔の人々の苦労を思うと、自分の悩みはちっぽけなものだと思うようになり、気持ちが変わった。2019年10月に奈良に行った。正倉院に中国製やペルシャ製の宝物が多くある。偶然訪れた薬師寺に日光菩薩と月光菩薩と共に住む薬師如来は、体と心の病気を救うと言われる。ここにシルクロードの出発点と終着点があると思っている。

感想(各支部から1名+女子会関連1名)
東日本支部長会でこのような講演をしてもらってありがたい。シルクロードに行きたかった。この講演を聴いて、長年の夢がかなった。1980年から始まったNHK特集「シルクロード」を見て、音楽の喜多郎、ナレーションの石坂浩二の名前が上がった。治安その他で実際に行くのは大変であろうに、勇気をもって行かれたことに敬服する、地球上でトイレットペーパーを使っているのが当たり前のことではない、という話も出た。

閉会挨拶:佐藤義廣(第2回講演会世話役代表、神奈川支部長)
支部単独では開催が難しいような講演も、地域を拡大しネット空間を活用することで実現できた。各支部には色々な趣味や体験を持っている同窓がいると思う。こうした皆さんに講師になっていただいて講演会が続けていければよいと思っている。

                   報告書作成:田中みどり(茨城支部副支部長)