今月は勝山牧師から韓国伝道旅行の紹介がありました。韓国への旅は3年ぶりで牧師にとっては過去最も交流の深い外国、韓国への訪問は待望のことで念願が叶ったそうです。目的は二つ、一つは韓国木浦市にある共生園を訪問することで、この共生園は戦争前(1928年)に設立した韓国の孤児収容施設です。設立者である牧師に嫁いだ日本人田内千鶴子さんは朝鮮戦争後行方不明になった夫に代わって孤児の母として施設を守り発展させてその艱難辛苦の努力と愛の行動は韓国の母とまで呼ばれその生涯を映画化されるほどでした。20万人程度の市の規模ですが、市内に10以上のキリスト教会があるほど韓国はキリスト教が盛んで、田内さんの生誕110年祭(韓国では死後10年単位で祝う習慣があります)には750人もの孤児を含む関係者が集う盛大なイベントでした。そのイベントに参加し、日韓交流を深めてきました。このことはNHKや朝日新聞でもとりあげられました。

下記写真は朝日新聞10月28日付
田内千鶴子さん生誕110周年を記念して共生園で開かれた行事、園で育った人を含めて750人が参加 左は韓国木浦市の位置

 もう一つの目的は勝山牧師の以前の任地九段教会と深い提携関係にあったソウルのカリボン教会(加里峰教会)とソウル日本人教会を訪問することでした。カリボン教会は牧師と家族ぐるみで交流を続けていて、勝山牧師にとってカリボン教会で受洗した娘さんと奥様が相次いで逝去されその報告をするための旅でした。この教会は日曜日朝に3回の礼拝があり、各600人程度、最後の11時からは1000人が集うということで、韓国のキリスト教が盛んであることが私達にも改めてわかりました。同時にソウル日本人教会の日曜礼拝では勝山牧師が説教をされました。この教会は日本語の聖書と説教を行う教会で韓国語に通訳することで、 30~40人ほどの会員が毎週集うそうです。木浦でもソウルのカリボンでも両国の牧師と教会員の相互交流の必要性を韓国牧師から提案されたそうです。

 お話の後、日韓交流の難しさ、韓国の日常の風景の中に日本統治の影が随所にありそのことが韓国の人々の間に歴史を思い起こすことがあることを認識しました。尚、旧統一教会は韓国では宗教団体ではなく一つの企業との認識だとのことでした。

 次に「サーロー節子さんとの交流」と題してのお話です。サーロー節子さんを関西学院に招聘することは2019年に決定し、2020年5月に来日されることになっていました。東京支部フェスタでは主賓としての講話と節子さんの夫君で中学部で3年間教鞭をとられたことからその教え子との懇談会が企画され、又上ケ原での講演会、関西学院賞授与、関西学院大学名誉博士号授与などが企画されていましたがコロナ禍で東京関係は中止、上ヶ原関係は延期となりました。そこで東京支部の中学部同窓生でサーロー先生の教え子を中心に「サーロー先生の想い出」を文章にして節子さん来日時に手渡そうと計画、20人の寄稿者による「サーロー先生の想い出集」を編集しました。節子さんが息子たちにも聞かせたいので懇談会の様子を録音して欲しいと言われていたので、80%は英語に訳して68頁の冊子になりました。この7月に5冊を製本して節子さんにお送りしたところ、直接節子さんから編集者の三浦にお電話があり、熱い感謝のお気持ちをお聞きし、ぜひリモートでの懇談会をしましょう、日程を企画してください・・・とのことになりました。9月に日程が整い、トロントのほか、NY、バンクーバー、サンディエゴ、東京、西宮をつなぐZoom懇談会が実現しました。2時間20分の会合のうち2時間は先生の想い出を語りつくしてあっという間に過ぎましたが、最後に喜志さんから節子さんのお仕事である核禁止活動について提起し、節子さんのノーベル平和賞受賞スピーチを題材にした絵本「光にむかって」を画面にかざして、核禁止や被爆体験を孫の代に語り続けることの必要性を述べました。続いて、節子さんはNPTや核禁止条約の推移から世界の三分の二の人口が核廃絶に本音では賛成しているのに核抑止論があって前進していないこと、唯一の被爆国日本の態度について世界の人々が日本人を見つめていると熱く語られました。これらのことを編纂室の池田裕子さんが記事を書き、25日付け「学院史編纂室便り」に掲載されます。下記で「リンクを開く」をクリックください。

『学院史編纂室便り』https://ef.kwansei.ac.jp/archives/gakuinshi/letter

 参加者からは次のような意見が寄せられました。 若い人たちがもっと関心を持って欲しい、そのような努力が必要、核と地球環境は人類の二大課題であるが、なんとしても人間の知恵で解決しなければならない、さらには、「人間は傲慢になって求めすぎている、皆が我慢することが必要である、だから自分は攻撃しないことにしている、攻撃すれば反発となる、・・・これはどこかの国の戦争にも思想として通じる」。 長崎に長く勤めていたので被爆者の傷跡を実際に沢山見る経験があり、そのむごさを強く感じてきた。日本の被爆による30万人の犠牲が抑止力となっている・・・節子さんはじめ被爆体験が世界中に浸透していることが抑止力となっている、等々。
その後は恒例によって自由に個人の意見交換を行いました。コロナの本当の対策は何かの問に対して、ワクチンの有効性の疑問、5回目接種完了などの意見が出たあとに究極は自己の免疫力を高めておくことに尽きるとの結論となりました。

 11月30日に本土寺の紅葉散策は6名が出席予定、参加希望者はいつでも永尾さんに連絡ください。12月はクリスマス、第三水曜日の21日(水)に日程を変更して実施の予定です。

                                      以上