三日月会5月度例会は野田聖子衆議院議員をお迎えして、90名の皆様にご参加いただき、「人口減少国家 日本のこれから」というテーマでお話を伺いました。ご参加ありがとうございました。

【講演の概要】

 先生は小中高とミッション系の学校で教育を受けられ、大学もカトリック系の上智大学を出てらっしゃいます。子供の頃に学んだ「神の下に平等」という教えは、今取り組まれている「ダイバーシティ(多様性)」と「インクルージョン(包摂)」という考えに発展しました。特にインクルーシブ教育の導入は、ご自身のお子様も含めて、障がいのある子供たちの学びの環境を大きく変えることに貢献しています。 

 野田先生は32歳で議員に当選してから史上最年少で郵政大臣に抜擢されるなど、輝かしい経歴を経て現在も衆議院議員として活躍されています。

 これからの日本を変えるのはニッチの政策ではないかということで、まずあげられらたのは、情報通信です。まだコンピューターが巷に普及していない頃からご自分で組み立てて、来るべきインターネット社会に備えてこられました。次に環境問題、そして子供です。浪人時代に多くの有権者とふれあい子供の問題に目を向けられるようになったそうです。

 野田先生が一番憂いておられているのは「人口減少国家の到来」です。今の政治家は一年先のことしか見ていません。人口減少問題は何も今に始まったことではありません。日本の総人口は2008年をピークに減り続けていて、2100年には明治維新の頃と同じ人口数になるとか。ところがその構成比を見ると、維新の頃は老人が7%、2100年の高齢化率は41.1%になるそうです。 

 そのような社会はどうなるのでしょうか。

まず、内需は拡大しなくなります。子供が少なくなるということは一番の消費者がいなくなるということです。高齢者とは違い成長にしたがって必要なものを購入します。第二に労働力がなくなります。15歳から65歳の人口が減り、人手不足となります。女性や障がい者の活用が必須です。女性活躍とのスローガンを挙げても、現状は質量ともまだまだ欧米諸国に追いついていません。こういった発想は高度成長期を経験した男性からは起こりません。彼らの世代には根強い差別意識がまだ残っているからです。

 第三に若い人がいなくなって困るのは、安全保障の問題があります。警察官も自衛官も減って、誰が社会を、国を、守るのでしょうか。自分で守ることのできない国にだれが投資するでしょう。 

 野田先生は子供に焦点をあてて、「日本のこれから」を考えています。幼児教育の義務化と無償化により、経済格差や能力による不平等をなくし、すべての幼児に等しい教育の場を与えます。発達障がいの子供の中から天才が生まれるかもしれません。これこそが、「ダイバーシティ」であり、「インクルージョン」なのです。

 すでにそこに目を向け成長している企業もあります。野田先生は3人の経営者をあげられました。それぞれ女性管理職の雇用、新しいライフスタイルの提案、グローバル化、などの理念のもとに実績をあげています。 

講演をうかがって人口減少と高齢化率の高さに愕然としました。日本のこれからを担う鍵は女性、高齢者、障がい者をいかにうまく活用できるかにかかっているのではないでしょうか。

【以下ご案内文】

三日月会5月度例会は、野田聖子衆議院議員を東京キャンパスにお迎えし、「人口減少国家日本のこれから」と言うテーマで、日頃のライフワークとして取り組んでおられる政策のひとつ、少子化問題の解決、さらにその問題に伴う労働力不足や内需衰退などへの対応策としての女性活躍の推進等について下記の通りご講演いただきます。是非とも多数の皆様のご出席を賜りますようご案内申し上げます。

日  時 :2017524日(水曜日)12151330

場  所 :関西学院大学東京丸の内キャンパス ランバスホール

   千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階

   サピアタワーオフィス3階受付前に「三日月会受付」(11:3012:10)を設置。

会  費 :1,500円 (軽食は11:45から講演前にお出しいたします。)

講  師野田 聖子(のだ せいこ)氏 :衆議院議員

1983年 帝国ホテル入社。1987年岐阜県議会議員。1990年衆議院議員選挙に立候補落選。1993年第40回衆議院議員総選挙で初当選以来連続八期当選。1996年橋本内閣:郵政政務次官。1998年小渕内閣:郵政大臣。2003年衆議院総務委員会筆頭理事、党政務調査会副会長。2008年福田内閣並びに麻生内閣:内閣府特命担当大臣(科学技術政策・食品安全)。消費者行政推進担当大臣。宇宙開発担当大臣。2009年消費者問題調査会会長。2012年~2014年自由民主党総務会長。2016年衆議院災害対策特別委員長。

著書:「私は産みたい(新潮社 2004年)」、「不器用(朝日新聞社2007年)」、「生まれた命にありがとう(新潮社 2011年)」等。

タイトル:『人口減少国家日本のこれから』

*申込締切日: 2017518日(木)締切ですが、人数に制限がございますのでお早めにお申し込みください。尚、出席される方のみお返事を頂きますようお願い申し上げます。

*お申し込み方法:

参加申し込み予定人数に達しましたので、大変恐縮でございますが、お申し込みは終了いたしました。

尚、同窓会東京支部のkg_tokyou_soumu@yahoo.co.jpへのメール返信、また東京キャンパスへの電話連絡での申込み受付も出来ませんので、くれぐれもお間違えなきようお願い申し上げます。

*お問合わせ先:東京支部  TEL 03-5224-6226  FAX 03-5224-6227

【次回予告】 三日月会6月度例会は、6月21日(水)東アジア貿易研究会理事長の若林寛之氏による「北朝鮮問題の真相を探る」を予定しております。

                                   以上