三日月会1月例会は新春にふさわしく,徳川宗家第十八代当主,徳川恒孝様をお迎えして,「江戸の遺伝子 江戸時代に学ぶ現代」と題したご講演を頂きました。時代が時代なら我々庶民などお目通りならない「お殿様」でいらっしゃる方です。85名の皆様が参加してくださいました。ありがとうございました。

【講演の概要】

 徳川恒孝様は、会津松平の分家からお母様のご実家である徳川家に養子に入り,十七代当主でいらしたおじいさまの跡を継いで当主になられました。戦後教育の第一期生として昭和21年に小学校に入り,学習院大学政経学部を卒業して,日本郵船に入社。副社長を経て顧問をなさっていますが,その間に50を超える国々に行って,多様な人脈を築いておられます。

 260年の「鎖国」の是非が問われる昨今の歴史解釈ですが,徳川家当主としての徳川様は,日本は島国であることを「ラッキー」であると捉えています。科学や技術では西洋に遅れを取ったことは確かですが,戦争の多い大陸に比べて,平和の中で独自の文化を築くことができたのも,島国であるためですし,「鎖国」のおかげかもしれません。

 260年の平和がもたらしたものはたくさんありますが,全国に藩校や寺子屋を作り,「読み書きそろばん」に終わらず,子供達に道徳教育を行き渡らせたことは大きいですね。日本人はモラルも高く,識字率も高い国として外国の人々に知られています。

 近年のインターネットによるグローバル化ついて徳川様は危機感を抱いていらっしゃいます。ネパールに行かれた時,案内してくれた青年にすこし謝礼をはずみ,何に使うかと訊ねたら,インターネットカフェに行く,という返事だったそうです。美しい自然と仏教の国というイメージのネパールでさえ,無防備な若者をアメリカ文化が席巻しています。いわんや日本の若者をや。ネットによって均一化される社会にあって,今必要なのは我々独自の文化,江戸の遺伝子を受け継ぐことではないでしょうか。

 最後に「徳川家として特別な教育は受けましたか」という質問がありましたが,「いえ,私は普通のサラリーマンですし」と断った上で,上野寛永寺や東照宮,久能山へのお参りは欠かしていないということでした。また,徳川家の文化資産を残すための「徳川記念財団」を立ち上げたり,各地の大名の子孫の方々との交流を通して,論語や漢文を後世に残し伝えるための活動もされています。

 2020年のオリンピックを迎えるにあたって,国際社会に認知してもらうためには自分達の文化に誇りを持つことだ,と講演を聞いたあとしみじみと思いました。

【今回の案内文】

新年明けましておめでとうございます

 本年も三日月会に対しましてお力添えを賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

  さて、新年1月度例会は、徳川宗家第18代当主、公益財団法人徳川記念財団理事長・徳川恒考氏をお招きし、「江戸の遺伝子 - いまこそ見直されるべき日本人の知恵」と題しご講演頂きます。17世紀から19世紀半ばまで、250年にわたり平和を維持し、日本独特の高い文化を生み出した江戸時代の社会の仕組み、人々の心を振り返り、現代の日本に照らし合わせて見る時、失われてしまったものの価値をもう一度考えるとともに、現代に残る江戸時代からの遺産を発見し、その価値を見直す材料についてお話を伺います。多数の皆様のご出席を賜わりますようご案内申し上げます。

日  時 : 2014年1月22日(水)12:15~13:30

場  所 : 関西学院同窓会東京支部 ランバスホール       千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階           JR東京駅八重洲北口改札口より徒歩2分 東京メトロ大手町駅B7出口サピアタワー連絡口に直結 3階サピアタワーオフィスロビー受付前に「三日月会受付 11:20より」を設置。

会  費 : 1,500円(軽食は11:45から講演前にお出しいたします。)

スピーカー: 徳川 恒考(とくがわつねなり)氏(公益財団法人徳川記念財団理事長)

 昭和15年(1940年)会津松平家に生まれ。昭和33年(1958年)徳川宗家養子。 昭和38年(1963年)徳川家18代当主。昭和39年(1964年)日本郵船入社・紐育(ニューヨーク)駐在2回(計6年)。平成14年(2002年)日本郵船副社長退任し、顧問。平成15年(2003年)徳川記念財団設立し理事長に就任 今日に至る。 他にWWF世界自然保護基金ジャパン会長・東京慈恵会会長・特別養護学校旭出学園理事長  他公職多数。

タイトル : 「江戸の遺伝子 -今こそ見直されるべき日本人の知恵」

* 人数に制限がございますのでお早めにお申込)み下さい。{最終申込締切1月17日(金)}

 * なお、出席される方のみお返事を頂きますようお願いします。
*メールによる申込方法: 次のリンクをクリックしますと申込みのフォーマットが出てまいります。必要事項を入力の上、送信ボタンを押してください。正しく送信されましたら、送られたメールアドレスに「ご連絡有難うございました。三日月会への出席申込を受付いたしました。」のメッセージが返信されますので必ずご確認ください。
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=ndlf-odrbn-4f8ac78ea50bccfa08f080976c9f6794
 同窓会東京支部の kg.tokyo@nifty.com へのメール返信では、申込み受付出来ませんのでご了承ください。  

お問合わせ先:東京支部  TEL 03-5224-6226  FAX 03-5224-6227  E-mail: kg.tokyo@nifty.com

【2月の予告】 2月24日(月)  テーマ「知って得する不動産知識―相続税・有効活用・管理等」 村木信爾氏(不動産鑑定士・大和不動産鑑定(株)不動産コンサルティング部長・明治大学大学院グローバルビジネス研究科特任教授)を予定

 以上